5⃣座談会 家庭用品関係者7人が語る【2026年】
■少子に備えカテゴリー拡大
より競争市場へと挑む
鴻池 スケーターにとって影響の大きいのは少子化です。出生数は2020年が84万人、21年81万人、と元々減少傾向である上に、コロナのパンデミックもあり、23年72万人、24年68万人とさらに減少傾向となっています。
2025年の春に入園した大半の子ども達は2021年生まれとなり、少なくとも当面は、子どもを対象としたビジネスは確実に縮小すると考えております。
このため、スケーターでは数年前からカテゴリーと販路の拡大を図ってきました。その結果、売上は順調に伸びたものの、家庭用品の比率が低下いたしました。原因は、家庭用品の新商品開発が十分でなかったことにあると考えております。こうした状況を踏まえ、今期より原点回帰として、当社の中核事業である家庭用品の再強化を基本方針に掲げております。
家庭用品市場は、いわゆるレッドオーシャンとされる競争の激しい分野と言われています。当社はこれまで、競合の少ないブルーオーシャン市場においてキャラクターを活用し、積極的に事業を拡大してまいりましたが、今後はこのレッドオーシャン領域にも本格的に挑んでまいります。
そのためには原価が割高になりがちなファブレスメーカーとしての立ち位置を十分認識しつつ、QCD(品質、コスト、納期)への取り組みを一層強化する必要があると考えています。
スケーターはこれまで、競合の少ないキャラクター市場や、比較的価格が通りやすいECなどに注力してきた結果、コスト意識が希薄であった側面があります。この反省を踏まえ、現在、コストはもとより品質・納期の意識も高めた組織改革を進めております。
山中 少子化ではありますが、6ポケットの増加と、「団塊世代」の高齢化により市場は拡がっていると捉えています。ピーコック魔法瓶工業では従来型の商品ではなく、新たに生まれている課題を解決する商品開発にも力を入れていきます。ご高齢者向けの商品開発は難しい点も多く、まずはニーズをつかむことから始めています。
PB商品とブランディング
■メーカーの矜持示そう
売れ続ける売り場はない
猪又 多店舗展開の小売業の再編、集約化が顕著になっております。企業規模が大きくなるにつれてPB商品、オリジナル商品で売り場を染めていく傾向があります。商品の完成度が申し分なければそれで良しなのですが、消費者からすると選択肢が少なく、買い物の楽しさも狭められます。
どこかで見たような商品のマイナーチェンジや権利回避だけを上手にしたようなPB品よりも、考え抜かれた機能や品質やデザインに注力したNB品の魅力や価値を、販売店や一般消費者に再認識してもらいたいと思っております。
その思いを基礎として、ブランディング強化にも取り組んでおります。
山中 売れる商品はリアル店舗とECとでは違います。リアル店舗ではもっと効果的な販促ツールを工夫しなければいけません。
PB商品点数が年々増えている中、NB商品が価格の壁に阻まれ、厳しい状況です。リリアル店舗が何を売りたがっているのかもっと探ることはとても重要だと思います。
猪又 「収納」といった成熟したカテゴリーの中で、新たな商品開発の大切さを訴える天馬の廣野さん、同じくレッドオーシャンの家庭用品市場の中へリスクを厭わず身を置いていこうとするスケーターの鴻池さんへは共感します。メーカーとしての矜持を漂わせるアイデア、企画性、独自性など、NB商品を作り出すものづくりメーカーの非常に大事な要素です。NB商品のチカラの再評価、これは1社2社で取り組んでも弱いため業界全体で取り組んでこそ皆にとってもプラスになるものと考えております。
池永 50年後には半数になる日本の人口。移民を受け入れている米・英は人口増になっていますが、外国人労働者に頼りつつ、移民を受け入れる環境にない日本。
結婚はしても子供は作らない、両親から一人のお子様ならば人口は増える訳がありません。
将来この日本で幸せに働け、環境も整い、豊かな生活ができる保証がない現況では少子化対策は難しいです。同じく人口増も難しく高齢者の割合が増える社会になります。しかし高齢者が住みやすく買い物がし易い地方も都市部も街にならないと消費は停滞します。
耐久消費財的商品を主に製造販売している我が社としまして影響は大きいです。
価値ある商品を開発、販売し少量でも経営に寄与するモノづくりを進めたいです。
■EC事業を海外市場で
■他社に呼びかける海外展開
海外にもキャラクター商品
廣野 天馬のもう1つの課題は海外展開です。中国ではすでに日用品事業を展開しており、今後は特にEC販売を強化していきます。またベトナム、タイ、インドネシアでも2025年10月、ECサイトを立ち上げました。ここでテストマーケティングをしながらASEAN地域で販売をしていこうという計画です。ここでも当社の商品だけでなく、いろんなメーカーにお声掛けして、ASEAN地域に販路のないメーカーに、私たちのECサイトを使って、販売できる仕組みを作っていきたいと考えています。
鴻池 スケーターが海外販路に積極的に取り組み始めたのが、3年前です。輸出事業に長けた専門家を外部から招へいしました。23年期、24年期と比較的順調でしたが、ほぼ一巡したことや中国市場が一気に不景気に陥ったことがマイナスとなっています。
特に、対米輸出は高関税の影響から激減しました。欧州では樹脂を含んだ商品を輸出することはかなり厳しく、輸出事業は頭打ちです。しかし、キャラクターブームは世界規模で高まっています。キャラクターの使用許諾契約は、国ごとに行われます。 東南アジア、韓国、台湾、アメリカなどのキャラクターの使用許諾契約を結ぶために、積極的に商談を進めているところです。
中村 アピデの差し迫った課題として直販の海外販路です。市場性に期待を寄せています。ウェブ通販形式で、26年はさらに前に進めます。