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2025年12月28日

3⃣ 座談会 家庭用品関係者7人が語る【2026年】

■カテゴリー拡大の意味
猛暑で累計出荷100万本
リアル店舗のテコ入れ
SNSがヒットのきっかけ

鴻池 スケーターの売上年商は2022年期が過去最高でした。23年期が過去3番目、24年期は過去2番目といった推移です。25年期、前年対比を超えることができず、業績は過去4番目となる予想です。

商品カテゴリー別の売上構成比は、概ね、家庭用品が5割、雑貨系が4割、OEM商品が1割となっております。

キャラクターブームが続いたこともあって、本業の家庭用品よりも雑貨系商品を強化してきました。その流れに沿って販路拡大もでき、衛生雑貨の歯ブラシ、マスク、絆創膏なども扱うこともできました。

今後、身体の発熱やほてりなどを冷やす冷却ジェルシートなども発売予定です。それにより、ドラッグストアの販路と、「キデイランド」などの雑貨系ルートの販路も増えてきました。

山中 ピーコック魔法瓶工業ではこれまで培ってきた技術、「真空断熱構造」を活かす商品開発を進めており、その中で2021年発売の「アイスパック」携帯氷のうは、2025年にヒット商品となりました。昨年シーズンは約80万本、累計出荷数は100万本です。

凍らせたり、冷やしたシリコーン製スティック型氷のうを魔法瓶構造のホルダーに収納して職場や外出先に携帯する。腕やおでこ、首筋などを直接冷やし、繰り返し使える。ステンレス真空断熱構造であること、猛暑の外気温を遮断し、かさばらない携帯性、強い保冷力、繰り返し簡単に使えるなどの特長が消費者から評価されました。

21年発売当初は、それまでになかった商品でもあり、機能や利便性などを訴求することが難しく、棚陳列されてもお客様には便利な特徴が届きませんでした。22年以降は特設コーナー「熱中症対策商品」として陳列されたものの、それでも認知度は上がりませんでした。決め手はユーザーのSNS投稿でした。「子どもの熱中症対策として使った」と。24年、これを契機に広がった。EC販路、リアル店舗の両面で広がる兆しが見えました。

このため、「25年シーズンは猛暑、熱い夏は続く」と見込んで、リアル店舗では3月ごろから拡販態勢を取り、棚配置に力を入れて、販売機会ロスを生じさせない態勢で臨みました。

万博に協賛し、給水器を設置。大変多くの方にマイボトルで給水をしていただけました。飲み物は自動販売機で買うよりも、マイボトルに移し替えることに人気が集まったことから、関係者らで「給水機の普及にも力を入れる」ことを確認し合いました。今後もマイボトルを推進するイベントなどへ積極的に参加していきたいと思います。

池永 物価高に関しましては食が第一で我々の扱う商品は購買の順位が後ろの方になっております。最近では食だけでなくあらゆるものが値上げになり私共の商品は買い控えとなっております。

それと材料・経費の上昇 これは避けて通れないどころか受け止めて・受け入れて価格の設定、販売の条件を組み立ていかないといけません。安くは売れません。但し以前と比べ価格を抑えても消費者の感性の違い、少子(人口減)の影響から大量に売れることは少なくなっております。

話題商品、必需品は別として当社が扱う商品はきっちり、しっかり売る、お客様に欲して頂ける商品の開発を行う ここに集中して事業を進める事だと思います。

 

 

協力工場と一心同体

猪又 イノマタ化学はファブレスメーカーとして、30数社の協力会社さんによって支えられていますが、その中に例外的に1社だけ自社工場があります。

イノマタ化学は協力会社さんとの関係性を重要視しています。顧客である中山福さん、アピデさんも大事なお取引先様ですが、メーカーとしての第一優先は協力会社さんと考え、「今後もこれまで通りのお付き合いをさせていただけるように」と2024年の就任後すぐにすべての協力工場さんを訪問いたしました。

問題点や要望もお聞きし、すぐにできる改善点は即実行しました。

近年の物価、人件費など、急激な高騰があり、これらの状況も加味し、2025年から協力工場さんの工賃の見直しを進めました。

協力工場さん無くして商品供給はあり得ません。健全に永続的に供給していただけることが当社の事業基盤です。

廣野 株式の非公開化にあたって2025年10月、今後の天馬の方向性などを説明させていただくため、取引先関係者にお集まりいただきサプライヤーミーティングを開催しました。そこで、天馬の新体制や今後の天馬の基本的な考え方、方向性、調達方針等についてご説明をさせていただきました。

 

 

■EC事業多様な展開へ
■物流力を補強 ECテコ入れで
■ECを最大販路に

橋本 中山福の物流機能の強化では、全国展開している9カ所の物流拠点の再構築に力を注いでいます。全国物流拠点の強みを最大活用しています。個人向けEC事業の配送開始に加え、取引先移管も積極的に進め最適な物流網の構築を推進中です。

中山福はEC事業の拡大では現在、当社グループで合計19店舗の自社サイトを運営しています。関東支店からの出荷に加えて、2025年度は福岡支店・札幌支店からの出荷もスタートさせました。

中村 アピデは10年以上前からインターネット通販会社との取引を増やしており、ギフト、家庭用品、雑貨の3部門の商品を販売していただてます。取引先もかなり増えています。直販はBtoC、BtoB、25年から始めたD2Cと、販売手法を広げてきました。

鴻池 スケーターにとってECは現状では売り上げの基礎をなす販路で、売上比率は30%を占めています。今後、ECを最大販路にしていく計画から前期、物流センターを開設しました。

自社モールのEC店舗のほか、楽天、ヤフー・lineなどに出店中です。課題の1つは、盆・正月などの長期休暇の期間中の受注から発送まで、通常期よりも長引くことからキャンセルされてしまいます。休日出荷などの雇用体系を変える必要もあり、システム化、機械化の必要も感じています。

機械化の一環として、物流センター立ち上げ時、16台だったピッキングアシストロボットはさらに10台追加致しました。自動梱包機も1台追加しました。人手、コストなどとの兼ね合いで、さらなる導入も検討しています。

池永 基本店舗での接客販売を唱えていますが百貨店以外は接客ができていません。

高齢化社会となりECだけでは不安ですが、販売方法と需要者層のギャップに悩んでいます。

専門店でさえセルフ状態になってきている中やはりECで活路を見出さないといけない現況に寂しさを感じますが セルフであっても売れる商品、取り扱って頂ける商品を開発しないといけないと思います。EC販売におきましては価格の乱れ、思いもしない販売価格には注視しております。

■■■■ 4に続く ■■■■