ホームセンター、成長足踏み 矢野経済研究所まとめ
2015年度HC 1.0%増。4兆円届かず
矢野経済研究所の調査によると、2015年度のホームセンター市場は前年度に比べて1.0%伸びて3兆9650億円と予測した。14年度は1.3%減の3兆9260円で、消費税率アップなどを原因に消費が低迷していることから、4兆円を目前に足踏み状態であるとの調査をまとめた。
一方、人口減少や他業態小売業などとの競合が激化していり、PB商品やオリジナル商品による差別化や独自の店舗フォーマットの確立、インターネット通販への展開など、HCの取り組むべき課題を挙げている。
4兆円目前に横ばい
日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会によると、2014年度の国内ホームセンター小売市場規模は、前年度比98.7%の3兆9,260億円とマイナス成長となった。
これは、消費税増税前の駆け込み需要の反動減、特に2013年の秋から顕在化していた住宅リフォームなどの高額商品需要が14年4月以降に一気に冷え込んだ影響などによるものだ。
ホームセンター小売市場は中長期的には人口減少に伴う需要の縮小、短期的にも店舗フォーマットや取扱商品の同質化で、GMSやスーパー、ドラッグストア、100円ショップなどの他小売業態との競争激化への懸念がある。
店舗の新規出店数の減少や、1店舗あたりの売上高が減少基調にあることを考えても、同市場は横ばい、あるいは微減で推移していく。
PB、店舗フォーマット、新販路開拓など課題
国内のホームセンター小売市場は、人口減少や他小売業態との競合激化などにより市場環境がより一層、厳しいものになっていく。今後の成長機会への取り組みはホームセンター事業者各社に必要不可欠だ。
近年は、PB・オリジナル商品による他社との差別化戦略や、独自の店舗フォーマット確立を目指した新規出店の進展、インターネット通販の展開などの新たな販路拡大の取り組みが注目されている。
15年度1.0%増3兆9650億円予測
取り巻く市場環境の厳しさや建築費の高騰もあり、ホームセンター事業者各社は基本的に新規出店を抑制するスタンスにある。
一部の好調な大手で積極出店がみられ、多くの事業者が前年度に比べ微増と見通しており、15年度は前年度比101.0%の3兆9650億円と予測。
調査期間は2015年5月~7月。調査の対象はDIY・ホームセンターのほか、メーカー・卸売業者。調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話、FAX、郵送によるヒアリング、文献調査併用した。
調査結果は『DIY・ホームセンター市場の展望と戦略2015』(税別12万5000円)として、矢野経済研究所から発売されている。
http://www.yano.co.jp/market_reports/C57111300