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2024年02月04日

【座談会】2024年を語る 家庭用品業界7人 ③

【物流問題】
橋本 今年は「2024年物流問題」が懸念されます。運輸業務に従事されている人たちの労働時間の短縮が進みます。同時に人手不足が今以上に影響を及ぼすでしょう。今のところ具体的な動きは見えていませんが、運送会社からの要望、交渉事が予想されます。

物流関連で中山福の事例をあげますと、納入の取引先はリアル店舗が多く、月曜日に出荷が集中し、3割~4割を占めるが、集荷の時間帯が早まり、納品日変更への対応やリードタイムの在り方など、一層難しくなることが予想できます。こうした問題への具体策もこれからというのが現状です。

荷待ちや待機時間の問題。物流面でのDX化、ITを駆使した新態勢、共同配送なども念頭に置かなければならない。こうした問題が当社の重要施策の一つと言えます。

物流問題は今年、正念場です。対応を間違えれば問屋を抜いた取引の増加にもつながっていくでしょう。卸売業の役割にきちっと取り組んでいきたい。

猪又 問屋や小売店の物流センターへ納品する際、運送業者にとって待ち時間は長く、これをなんとか解決すべきだと思っています。この待機時間が物流コストに反映される。待機時間は、現実的には長時間待たされているケースの多いと聞いています。

荷物を受け取る側の体制にも対策の視点を巡らすことが重要です。再三、私は取引先の大手小売業の担当者にはこうした状況の改善をお願いしています。物流の細部の連携が及んでいないようです。

個人の宅配でも10軒のうち3軒ほど留守という現状で、たとえ割増運賃をもらったとしても採算が合わないでしょう。これも割高運賃の一因です。物流問題は運転手の人員不足、長時間労働だけではなさそう。


山中 個々のメーカーが単独で対応しているのでは十分な効果は得られないでしょう。業種を超えて知恵を出し合いたいと思います。

池永 物流コストが増え、物流管理費は上がってくるでしょう。池永鉄工の商品は重量物が多いものが多く、集荷時間が早まるだけでなく、集荷時の個数の制限も予想され、これまでにはなかった事例も想定されるでしょう。一概に受け入れがたい問題が浮上してくると思われます。

髙木 物流業界がいろいろな対策を考えているようですが、再値上げは必ずあると予想しています。物流問題は自前では解決できないので、業者に依存するしかありません。

(【座談会】2024年を語る 家庭用品業界7人 ④に続く)