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2024年02月04日

【座談会】2024年を語る 家庭用品業界7人 ②

【原材料高騰】
猪又 原材料高はしばらく続いています。為替の影響が大き過ぎます。原材料値上げに占める割合は2割~3割程度を占めており、当社の値上げも必至です。

山中 23年、徐々に値上げ要請を受け入れていただけるようになりました。ただ、価格転嫁が全品に行き渡っているわけではないので、厳しい状況には違いありません。

池永 業務用、住宅関連用品の部門は大きな影響は少ないと考えていますが、消費傾向が従前のような形でなくなってきました。家庭用品部門の商品に消費者が手を伸ばしていただけるのか。見守っています。これまでの経験値では予想のつかない状況も想定しておかなければいけません。

販売価格を上げればそれでOK、賃金を上げれば良しというのでなく、多方面の事象と照らし合わさないといけない。

髙木 2021年の春頃から輸入諸費用や原材料など多岐にわたる値上げ要請がありましたので、翌22年にパッケージ・JANコードを変更し新製品として実質的な値上げを行いました。

新製品に切り替える作業は多岐にわたり費用もかかりましたが、ほぼ予定通りの値上げが実施出来ました。ただ、22年度中に円安が進んだため、23年には商品の変更を行わない「単純値上げ」を実施しましたが、販売店の段階まで了解を得て値上げが完了するのは24年にずれ込む見込みです。

また、23年度中にも更に円安が進行し輸入品の原価上昇が続いていますが、更なる値上げに踏み切れる状況ではないと考えています。

値上げの影響もあって売上高ベースは増えていますが、値上げした商品の販売個数は明らかに減っているのが実情です。

山中 人員は取り合いになっています。費用がかさむ一方で、望んでいる人材は得にくい。中小企業という立ち位置の中、今年も厳しい状況は続くことが予想されます。

【コロナ禍を経て、販路は】
猪又 イノマタ化学の売上構成比は100円ショップが6割を占めていたのですが、ここ最近、取引先は新業態の小売業へと広がり、パイプは太くなってきました。

リアル店舗が多く、店頭でお客さんが当社の商品を買ってくれているのを見ると、「商品は動いているのだ」という実感がわいてきます。これはメーカーにとって大事です。問屋、小売店には店頭に商品を並べてもらうために今以上に提案できるよう工夫をしていきたい。

山中 販路についてもギフトショーやDIYショーなど、新しい取り組みも行い、その分、新規取引先が増えました。このような取り組みや活動を意識して強化していかないと、業績の安定確保が難しい状況であると感じています。

髙木 コロナ禍に比べると増加率は鈍化しているものの、ネット向け売り上げは年々増加しています。実店舗の売り上げは下がっていますが、全体の売り上げは維持出来ています。

実店舗・ネット販売・生協・通販などそれぞれの販売形態によって、商品の向き不向きがありますが、メーカーとして自社の特長を生かした商品開発を心がけていれば、販売して頂ける売り場は必ずあると考えています。

【海外市場】
猪又 イノマタ化学の輸出は売上構成比10%超ですが、直接貿易はしていません。かつて私が貿易商社に勤めていた経験もあって、中間に貿易商社を介在してもらっています。メーカーが直接市場を開拓するよりも商社経由の方が低コストで頑張ってくれる。一任されたという信頼感に応えるため商社のモチベーションも上がり、業務がはかどります。売上金の回収も安全でしょう。

直接貿易だと利益が外に流れないと考えがちですが、商社のマージンは意外と低コストで、頑張ってもらっています。私の経験上、貿易成功への近道だと思います。

鴻池 海外生産が60%を占めており、在庫管理は肝です。すべて早めの対応を最優先します。かつては店頭に残っている状態で安売りに甘んじてしまうこともありました。3年前を境に、早期対応の徹底化をしました。その結果、カテゴリーが拡大する一方、在庫には厳しく管理しております。
(【座談会】2024年を語る 家庭用品業界7人 ③に続く)