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2024年01月01日

座談会 メーカーが語る「物づくりの大事」 2024年 ❶

関西のメーカー6社経営陣が語る
「客の声」と「他社にないもの」

 

関西を軸に自社の物づくりに力を入れるメーカー6社の団体「大阪板金家庭工業会」加盟社6社の経営陣らに、ようやくコロナ禍が明けたものの、物価高・消費低迷の中で、どう進もうとしているのか語ってもらった。座談会は2023年11月、大阪市内のホテルで開催。

 

【出席者】(発言順、敬称略)
藤田盛一郎
藤田金属 代表取締役社長

田中淳仁
田中文金属 代表取締役社長

竹原嘉宏
竹原製缶 代表取締役社長

土井聡一郎
土井金属化成 代表取締役社長

藤田清隆
マルカ 課長

池永拓記
池永鉄工 常務取締役 営業本部長

 

2023年はこんな
ことをやってきた


藤田盛 明るい話は関西に限って言えば、プロ野球日本シリーズが59年ぶり、関西2チームで対決した。2025年には万博が大阪で開催されます。しかし、経済面では厳しく、原材料の高騰、物流、円安、人手不足など起こって、中小零細企業にはきつい年だった。

2021年2月、藤田金属は工場をオープンファクトリー化しました。一般のお客様はもちろん、最近では海外視察として韓国や中国・香港から企業の団体がお越し頂けて情報交換させて頂いています。

韓国や中国・香港の各社が当社を訪問され、うち、韓国から25社でした。同国も経済状況は非常に厳しいと言う。釜山空港付近にある経営者は、「国の支援なしでは経営維持は難しい」と。香港企業も中国本土からの圧力もあって厳しいと言う。


田中 材料価格は落ち着いていたのですが、最近上がっている感じ。こう感じるのは田中文金属だけに限らないでしょう。


竹原 竹原製缶では、「今回の値上げ要請が受け入れてもらえなければ、いよいよ事業を畳まなければ」と言う業者の声も複数で聞こえてきます。

田中 鋼板材料の価格は高止まりながらある意味安定していたけど、ここにきてさらに値上がりしている。


土井 23年、材料価格はガーンと上がった。高止まり感ですね。その一方で、トタンの材料メーカーなどはかなりヒマな様子。「今すぐでも新規の発注が欲しい」と言う。

藤田盛 原料そのものの上昇だけでなく、副資材や物流など関連の上昇の影響もあります。

田中 運送各社も荷物の出荷を欲しがっています。その一方で、貨物量が減っているという話もききます。

土井 物流業者にとって2024年問題よりも、「27年問題はもっと怖い、深刻」だと言う。24年は社内間の課題として解決できそうでも、27年は「運転手の人員は25%減る」と深刻さを訴えています。

段ボールメーカーも商流を反映しており、注文が途絶えているらしい。

藤田盛 物流件数そのものは減っている。商流を把握するには運送屋に聞くのが手っ取り早い。

フライパンの部品、木製の取っ手なども以前に比べて入手しやすくなっています。コロナ禍の真っ只中では、国産品であっても入荷は3カ月待ちという事例もありました。現在は2週間で納品される。このほか、アルマイト処理などの加工賃はめちゃくちゃ上がった。

田中 めっき加工も同じです。為替の影響で国内品の需要が増えているので強気な納期や加工賃を提示されることが多くなりました。

土井 インボイス制度の10月から導入の影響で、1人か2人ほどの個人の部品メーカーが3社ほど廃業した。

藤田盛 制度導入しない事業者との取引は2%の負担になることから当社も取引を止めたところが1社ありました。
2024年1月から、電子取引時の電子データ保存義務になります。この制度もややこしい。

竹原 コロナ禍の融資返還も重なり、個人企業の経営維持がより難しくなります。

藤田盛 小売業の家庭用品部門の販売実績は前年度比の6掛け、7掛けはざらにあるとも聞いています。なかでもリアル店舗は非常に悪いと。
(❷へ続く)