創刊から51年続く日用品・生活雑貨専門の業界紙です。話題商品・業界最新情報をいち早くお届けします。

生活雑貨の業界紙:リビングタイムス
トップ > 流通・店舗・無店舗 > 「日本限定が欲しい」【現地中国人 ECニーズ調査】
2023年11月07日

「日本限定が欲しい」【現地中国人 ECニーズ調査】

「日本限定品」1位
現地中国人がECを通じて「日本製品を購入したい」理由の調査では、「自国で買えないもの」が52%と回答。「信頼」や「高品質」の回答よりも10ポイント近く差をつけて1位だった。今後、日本限定など、プレミアム感も越境EC成功の鍵という。

 

日本商品を購入したい理由
越境ECを活用してでも日本の商品を購入したい理由のトップは「国内にないものを購入できる」で 52%。続いて「正規品等、信頼できる先から購入できる」44%、「高品質である」41%。

自国で購入できないものを購入可能であるという理由が半数を超えていることから商品のオリジナリティや日本限定等の「プレミアム感」をいかに出せるか、が日本における越境EC成功の鍵といえるのではないだろうか。

越境ECの利用で購入したい日本の商品のトップは「美容コスメ」で 44%。続いて「衣料品/アパレル」で43%、「食料品・アルコール」が 30%。上位の商品は越境ECの売れ筋商品定番である。

コロナ禍に日本で販売が減少した化粧品に限れば、中国ではむしろ化粧をする人口が今も増えている。裾野が拡大しているところであり、総じて減少する動きにはなっていない。

日本はすでに成熟市場であり、コロナ禍に化粧品を利用しなくなったため販売縮小となったが、中国では新規利用者が増えていることから、市場全体でみると今後も成長する要素があると見ている。

 

訪日外客数と越境ECの関係(中国・米国)
外国人による訪日と越境 ECには密接な関係があると言われている。JETROが過去に実施した訪日経験のある中国消費者へのアンケート調査70では、「なぜ越境 EC を使って日本の商品を購入したか?」という質問に対し、「日本に旅行をしたときに購入して気に入った製品だから」と答えた消費者が、2017 年8月調査では 40・4%(N=992)、18年8月調査では21・6%(N=1059)存在した。日本滞在時に、実際に商品に触れた経験、自分自身の目で確認できた経験、信頼できると認識した経験が起点となり、越境ECの利用が促進されていると推測できる。

「越境ECの利用意向調査(21年9月実施)」によれば、「訪日した後、越境 EC で気に入った商品をリピート購入したいか」との質問に対し、「思う」が54・7%、「やや思う」が29・7%で、8割以上が「訪日後にリピート購入をするにあたって越境 EC を利用したい」と回答している。

新型コロナウイルス感染症が拡大した状況下で2020 年以降訪日外客数が著しく減少した。日本政府観光局発表のデータでは、20年は中国からの訪日外客数が107万人、米国からの訪日外客数は22 万人。

21年はそれぞれ4・2万人、2・0万人まで落ち込んでいる。22年は下期に入国規制を緩和した影響もあり、中国からの訪日外客数は18・9万人(対前年比4・5倍)、米国からの訪日外客数は32・4万人(対前年比16・2倍)に増加したが、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準には回復していない。

事業者のヒアリングによると「経験的にはインバウンドのピークの少し後に越境EC の波が来ることが多い。23 年以降はインバウンドが回復し、越境ECに好影響を与える可能性がある」との意見もあった。