ホームセンター市場規模&ランキング 【2022年版】
22021年度(2021年4月~22年3月)のホームセンターの商品販売額は前の時期に比べて4・3%減の3兆3683億円だった(経済産業省まとめ)。減少額は1528億円。前年度割れについて、主なホームセンターでは、「特別定額給付金のあった2020年の反動と天候不順、それに商品の相次ぐ値上げ」と業績後退の理由をあげている。同年度の店舗数は4393店舗、前の期に比べて57店舗減った。島忠や東急ハンズ、ケーヨーなどの大手・老舗・名門企業が買収され、業界再編がまた一段と進んだ。
■カインズ(埼玉県本庄市)
4826億円(2022年2月末)
228店舗
SPA(製造小売業)を掲げており、商品企画→設計→品質管理→物流→プロモーションや販売の流れを構築中。販売比率は21年時点で40%。
ベイシアグループの企業は29社。うち、流通サービス企業は17社。売上高1兆0320億円(22年2月末現在)。1946店舗(22年2月末現在、東急ハンズを除く)。出店地域は四国を除く全国。
22年3月、東急ハンズ(632億円、21年3月期)を子会社化した。
■DCMホールディングス(東京都品川区)
4377億円(2022年2月期)
669店舗(売り場面積73万9059坪)
21年3月、事業会社5社(カーマ、ダイキ、ホーマック、サンワ、くろがねや)を統合した。同年、EC事業のエクスプライス(東京都江東区)を子会社。今年7月にはカンセキ(宇都宮市)資本業務提携した。同社の売上高は408億円(22年2月期)
DCMの売上高構成比率のうち、ハウスキーピングは23・0%、1010億円。商品供給は2・7%、118億円。
■コーナン商事(大阪市)
4257億円(2022年2月期)
494店舗
業態はホームセンター(324店舗)のほか、プロショップ(174店舗)、百均ショップ(108店舗)、アウトドア用品専門店(6店舗)など多様化。
リフォーム事業では17店舗で2級建築士による接客サービスを展開しており、年商133億円の実績がある。
22年7月、東京オフィス(東京都品川区旗の台)を開設。 今期の出店はグループ全体・海外を含めて30店舗を予定している。
■コメリ(新潟市南区)
3760億円(2022年3月期)
1214店舗
業態別内訳はパワー84店舗、ハード&グリーン1114店舗、PRO9店舗、アテーナ7店舗。
PB商品は前期比1・9%増の45・4%に及んでいる。パワーツールやGマーク選定品もある。
農協との共同歩調をとる店舗は17で、JA専売品を取り扱っている。住関連サービスの拡充策ではハウスクリーニングや庭木の手入れ、風呂場関連のリフォームなどを掲げている。
一方、EC販売額率は前期4・2%→4・9%へと増やした。
■アークランドサカモト(新潟県三条市)
3125億円(2022年2月期、外食とその他を除く)
業態はホームセンターのほか、スーパーやペットショップ、外食チェーン「かつや」など多様。2020年11月、年商が3倍のビバホームを子会社化し、ホームセンター業界の再編に一石を投じた。合併メリットのコストの重複削減や関東・甲信越のホームセンターにテコ入れに拍車がかかる。
プロショップ化、ペットやツール、アウトドア用品などの専門店の掘り起こし、製造小売業(SPA)への取り組みなどがある。
22年2月期現在の店舗数はホームセンタームサシ38に対してビバホーム107、専門店は96。
■ナフコ(北九州市小倉北区)
2065億円(2022年3月期)
359店舗
PB商品化率は22年3月期42・7%(前期37・2%)。資材、DIY、園芸用品を重点部門に上げている。
主に3業態で展開――ホームセンターと家具の併合店は商圏人口20万人、出店全体の39・8%を占めている。ホームセンター単独は商圏10万人、出店比率は50・7%。家具単独は商圏30万人、3・9%。
今期の出店予定はホームセンター1800坪と2500坪、ツーワンスタイルは1100坪。
■アレンザホールディングス(福島市)
1569億円(2022年2月期)
284店舗
ダイユーエイト(福島市)、タイム(岡山市北区)、ホームセンターバロー(岐阜県多治見市)、アミーゴ(東京都千代田区、ペットショップ)などで構成。
アミーゴを除いて前期減収で、要因として「前年のコロナ特需の反動」を挙げた。売上高はダイユーエイト475億円、タイム160億円、バロー606億円、アミーゴ239億円だった。
今期、新店は15店舗を予定し、最多出店のダイユーエイトは6店舗、アミーゴ6店舗。PB商品化率は15%を予定。
■ニトリ(札幌市北区)
8115億円(2022年2月期)
801店舗。
21年3月、島忠を子会社化し、22年4月にエディオン(大阪市北区)と資本業務提携した。
島忠の売上高は1370億円。当面、既存店のリニューアルと関東や関西以外への出店が重点課題。通販事業は910億円。
PB商品開発もニトリの粗利益を増やすための重点課題の一つ。島忠のPB開発目標は約1万6000SKUで、HC商品売上高の3割に相当。現在、400SKUを開発済、進捗率は約21・9%。
■ジョイフル本田(茨城県土浦市)
1235億円(2022年6月期)
17店舗
売上⾼マイナスの2⼤要因は、「⼤量消費財の価格政策転換」と「天候不順による⼯事遅延と園芸関連需要の減少」と説明。生活分野の減額は30億円。夏の行楽時期での天候不順が飲料や行楽用品などに影響。感染症対策、内食・除菌関連の需要が一服し、衛生用品、一般調理器具などの売上高が減少した。
2023年春以降、群馬県北部・吉岡町に敷地面積13万㎡の「自社大型店フォーマットを圧倒的に超える」超大型店が佐藤可士和氏の総合監修で取り組まれている。
■ケーヨー(千葉市若葉区)
1020億円(2022年2月期)
167店舗
新店は6月、一宮八幡店(愛知県一宮市)のほか、リニューアルオープンを8店舗。閉店は4店舗。
DIY・園芸用品、リフォームなど、住宅設備部門が好調。DCM共通商品への入替効果やDIY・園芸用品の売上高構成比の増加で、粗利益率が改善した。