ギフト市場 2014年9.7兆円(0.6%増)
2014年ギフト市場 矢野経済研究所が調査
矢野経済研究所によると、2014年のギフト市場は前年に比べて0・6%成長の9兆7400億円だった。儀礼的なギフトが薄まる半面、家族や友人などへの感謝や愛情の表現としての役割が強まったことが新たなギフトへの広がりを予兆させている。
2014年の国内ギフト市場規模は前年比100・6%の9兆7400億円のプラス成長
14年の国内ギフト市場規模は小売金額ベースで前年比100・6%の9兆7400億円であった。古くから受け継がれた贈答文化は時代の流れとともに変化してきているものの、「ギフト」を贈るというコミュニケーション手段は、現代社会に即した形で受け継がれている。
儀礼的贈答からカジュアルなギフト需要へ
日本には古来から慣習と「しきたり」に則った贈答文化があるが、少子高齢化、核家族化、地域関係や親戚関係の希薄化などによって、儀礼的な贈答は減少している。
一方で、身近な存在である親、子供、友人等に対する感謝や好意、尊敬や愛情の表現として「ギフト」は大きな役割を持っており、カジュアルなギフト需要が台頭してきている。
ギフトアイテムやチャネルの多様化で贈答機会がより身近に、より曖昧に
冠婚葬祭すべてに対応し、年代や性別も問わないカタログギフトの進化やソーシャルギフトの急成長、「自分へのギフト」としてのご褒美需要の増加など、ギフトを取り巻く環境は用途や目的、品目(ギフトアイテム)、贈答方法(チャネル)のすべてで多様化、複雑化してきている。
贈られた人が喜ぶものであればすべてがギフトになる今、小売企業各社も敢えて用途や目的を曖昧にした販促活動を行うことで、消費者需要を喚起している。
1.調査期間:2015年8月~9月
2.調査対象: ギフト卸・メーカー、小売(百貨店・量販店・専門店・通販)等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、郵送アンケート、文献調査併用
【ギフト市場とは】
この調査におけるギフト市場とは――個人、法人での贈り物や進物などを対象とし、中元・歳暮需要を含む。
この調査からギフトの流通構造を見直し、小売と卸、あるいはメーカーの販売額が重複していたものを極力小売金額ベースに統一換算し、再算出をした。このため前年までの公表値とは多少異なる。
調査問い合わせ先
矢野経済研究所
マーケティング本部 広報チーム
電話03・5371・6912
「ギフト市場白書 2015」
2015年9月30日発刊
A4判321頁
定価11万円(税別)