オルゴ・田中社長インタビュー
100年企業は信用第一
待ち望まれる企業であれ
9月、創業100周年を迎えた。取引先、協力会社、現役・先輩OBを含む従業員らによって支えられてきた賜物であると感じている。
幾度となく激変した環境の下で存続できたが、たどれば長い歴史を重く受け止めている。しかし、特別な感慨はない。企業が存続していくための通過点であり、バトンを引き継いだ私が100年目の地点を受け持ったという認識だ。
記念事業など大掛かりな事業はしないが、記念誌の発行と当社関係者による「内祝い」で、じっくり百年企業のこれまでと今後について語り合いたい。
営業活動など日常の業務のなかで、全国の取引先への謝辞を申し上げていく。
「アイデア」で伸ばした
100年企業に対する一般的な評価とは信用であり、人とのつながりを大切にする姿勢といえる。わが社もこれを強く意識し、行動の規範として持ち続けていきたい。これはどのような会社であってもそうである。わが社はできるだけ風通しのいい、良い意味で肩肘を張らない会社を目指している。
家訓なく自己判断養う
長寿企業には家訓や一子相伝といったものがあるが、父の信守・前社長(現会長)からは、事あるごとにいろいろ教えられてきた。時には「自分ならどうするか」という発想を養った。前社長の判断や決定に至る過程に多くを学んだように思う。
ここ数十年は、「アイデアで伸びばせるメーカーであれ」としてきた。他社とは一味違う存在であり、横並びをいさめてきた。いかに魅力のある商品であるかということである。魅力の中には高付加価値や利便性の向上であったり、時には低価格も魅力になりうるでしょう。
所有することで生活が豊かになるという想いをこめてあるのが、コーポレート・スローガンの「生活 夢グッズ」である。
待ち望まれる企業であれ
旧社名(ダイヤ魔法瓶工業)だった1979年、ファッション誌『ヴォーグ』をイメージした魔法瓶シリーズを発売した。立ち上がり当初、バイヤーたちから疑問視されたが、初年度100万本を販売した。団塊の世代に続く、若い世代が消費市場に台頭し、婚礼ブームなども相乗効果となってギフト市場が大きく膨らみ、追い風となった。
82年、「山本寛斎シリーズ」を発売した。
魔法瓶のボディーがキャンバスのように絵画・イラストなどで表現された。一次的な機能・性能に飽きたりず、インテリア化した魔法瓶が業界の先駆けとなり、風靡(ふうび)した。
現社名は「ALL」と「GO」の合成語で、お得意先、仕入先、当社がそれぞれの繁栄に向け、力を合わせて進もうという意味をこめている。UFOに似たロゴタイプも同じ願いをこめている。
スローガンの「生活 夢グッズ」は商品開発の原点をうたったものでお客様にとって毎年新製品がでる魅力ある企業でありたい。