奥村好信・オクムラ社長 インタビュー
東京支店てこに「第二創業」
株式会社澤新(東京都)の営業権を譲り受けたオクムラ(京都市)は12月21日付、東京都足立区鹿浜に東京支店を開設する。2020年開催の東京オリンピックを控え、注目の首都圏市場をどう展開していくのか。奥村好信社長に聞いた。
――関西を基盤に、北陸、中部、中四国をカバーし、東は静岡まで広げてきました。
奥村 オクムラ東京支店は澤新の営業所であった足立区鹿浜に開設します。陣容は澤新の役員を除く、10数人の従業員が引き続き就業してくれます。
2015年1月5日付で支店長に就任の藤永弘氏はタイガー魔法瓶を12月20日、定年退職する予定です。
――東京支店の位置付けは。
奥村 オクムラでは北陸と名古屋を営業所としていますが、東京を支店としたのは順調に成長拡大する市場にふさわしい拠点であると見込んだからです。
都内各所には地元に密着し盛業なスーパーマーケットや専門店、ホームセンターが多く、掘り起こしていくには有り余る市場性を持ち、新規開拓の場としても十分取り組んでいける場です。
東京支店をオクムラの「第二の創業」へ跳躍台と位置付けていきます。オリンピック東京開催の2020年をめどにすえています。
――それだけにやるべき課題も大きい。
奥村 東京支店には地域のニーズに沿った企画提案、実践する人材の育成強化、それにこの2つを武器にした新規開拓を課題としています。
新規開拓はオクムラにとって貢献度が高く、非常に大切と考えています。
これまで流通業界の再編の影響を受けてきましたが、新規開拓に力を入れ、売り上げ不振に陥るのを回避してきました。消費増税のあった今期(2014年12月期)業績のうち、6%~7%増は新規取引先によるものでした。
――2014年を振りかえって、消費税率増税がありました。
奥村 駆け込み需要の反動、売上低迷はほとんど見ませんでした。一つの要因は京都訪問の観客が増えているからです。
京都市を訪れる観光客は年間5100万人超えており、うち外国人客は110万人。観光消費額は7000億円超です。2013年の数字だから、現状ではもっと増えているでしょう。免税対応店の増加も追い風です。
もともと夏物商材が少ない下期だが、暖房器具も立ち上がりは遅かった。
今期業績は5%強を増やしました。オクムラ本体の売上高は31億~32億円。住設とヤマカ(神戸市)を含めれば47億円。
――来期は。
奥村 開設した東京支店を含めるとグループ全体で50億円を予定しています。財務体質の強化していきます。
業界関連の団体のほか、京都ライオンズクラブの重責就任も予定しており、個人的には健康管理に留意します。
――見本市が2月に開催されます。
奥村 2月25日と26日、京都パルスプラザで開きます。今回は東京支店の取引先を迎えるが、10月開いた澤新の見本市でオクムラとして出展し、手ごたえをつかんでいます。
東京地区だけでなく、本社、北陸、名古屋、神戸の拠点ごと、地域特性に沿った企画や提案をしていきます。
商材は、金物系は国産ブランドのメーカーを網羅しており、雑貨商材も九州や沖縄の取引先にも提供し、間口の広さを打ち出しており、小物電気製品も最新の消費傾向をとらえた新タイプを紹介します。
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オクムラ株式会社
本社:京都市下京区西七条比輪田町3番地 http://www.okumurak.jp/
創業享保年間、250年の歴史がある専門問屋。「古い皮袋に酒を盛る」の気概で、時代に即応した経営。家庭金物をはじめ、多種多様の家庭用品・住設機器を販売。有力ブランドメーカーと安定した取引に恵まれる。オリジナル製品や京ブランドの手造り商品なども扱う。
・主要販売先: PLANT、タテヤマ、大丸ピーコック、ユニ高島屋、大丸、ディオワールド、ニッセン、京都生協、専門店、住設店など
・主要仕入先: タイガー魔法瓶・パール金属・岩谷産業・リンナイ・エレクター・ピーコック魔法瓶工業・トヨトミ・北陸アルミニウム・積水樹脂・タニタ・日本アルミ・ アカオアルミ販売・セブジャパン・リスなど
・主要取扱商品: アルミ製品、プラスチック製品、鉄製品、ステンレス製品、ガス器具、電気小物製品、軽家具、住設製品、雑貨など