創刊から51年続く日用品・生活雑貨専門の業界紙です。話題商品・業界最新情報をいち早くお届けします。

生活雑貨の業界紙:リビングタイムス
トップ > 天馬株式会社 > ➎ 座談会 家庭用品業界の今 問屋・メーカー代表者8人
2024年12月31日

➎ 座談会 家庭用品業界の今 問屋・メーカー代表者8人

2025年、こうします
橋本 中山は、2025年3月に100周年を迎えます。今までは卸売業を軸に市場環境に合わせて事業展開を進めてきましたが、創業100周年を契機に、グループとしての永続的な企業価値向上を目的に、事業持株会社体制によるガバナンスの向上を図りながら、卸売事業の拡充、物づくり事業の強化、EC事業の拡大、物流機能の強化など4つの事業別の重点施策に取り組んでいきます。

卸売事業では商品戦略の再構築、メーカーとの連携を強固なものにすることから商品本部を復活させました。

物づくり強化としは自社ブランド事業「株式会社ベストコ」は、「株式会社LIV PLUS」と社名を変更し体勢を強化しました。

物流機能強化では、24年11月に福岡支店に太陽光パネルの設置した自動倉庫を立ち上げました。3年前には東関東支店に倉庫を新設しており、経営戦略の一つである「全国物流拠点の高度化・効率化」を推進しています。

EC事業では、9月に株式会社ENICYを吸収合併し、その物流をすべて内製化しました。当社としては、BtoCへの取り組みに少し時間を要しましたが、これを機、関東・関西をはじめ北海道~沖縄迄の物流を強化していきたいと考えています。また、中山の単独EC店において、24年7月から、取引メーカーの商品の販売を開始しており、売り上げも伸びてきました。

このような形で、体制強化、組織変更、人員配置などに取り組んだ1年でした。足場を固めながら、2025年、創業100周年に臨もうと考えています。やっと、自分が思い描いていたスタートラインに立てた状況です。今年はきちっと推進していきます。

鴻池 スケーターは海外販路の強化策として、現地向けの商材を投入する予定です。現地調査や関係者の情報なども盛り込みます。食習慣なども考慮し、弁当箱の仕様、サイズなどを決めました。キャラクターライセンスの取得にも力を入れていきます。

インバウンド需要は25年も活況と見込んでいます。商品開発と営業活動の両輪で前に進めます。カテゴリーの拡大することで、消費者には1点でも多く買い物を楽しんでほしい。流通得意先には「スケーター特設コーナー」の導入をお勧めしていきます。コーナー展開によって売り上げアップに貢献した事例は少なくありません。

グループ会社との相乗効果
中沢
 23年、電響社のグループ本社を建て替えて、撮影スタジオも設備し、番組制作には料理研究家を招き、商品の仔細を専門家の視点や発想を織り込むなど、存分に提案できるようにと進めています。

家電量販店ルートは、リアル店舗やEC事業のほか、想定外の需要などもあります。家電メーカーとの連動による相乗効果などもあって、奥深いというのが実感です。丁寧に売上につながるところを追求していきます。

EC事業では、当社もBtoCを展開していますが、再度、仕切り直してグループ会社との相乗効果などを求めていきたい。専門店との取り組みも大事だと考えています。

山中 25年のピーコック魔法瓶工業の課題にはブランディングとデジタル化が鍵となります。時代の変化に迅速に対応し、ブランド価値を高めつつ、デジタル化を進めることで更なる成長を目指します。

池永 売上と利益の確保は当然ですが、我慢にも増して見切りも大切です。俊敏な判断、的確な行動によって徳が動くと考えています。25年は大きな変化はないでしょうが、行動を起こさないと遅れをとります。

強い集団になりたいと、池永鉄工はいろんな改革に取り組んでいます。時には判断ミスもありましたが、正しく変わっていき、社員が強くなっていく。商品も販路もしっかりとしたものを作る。不採算な部分は止める一方、採算の取れる確証も持つ部門には積極的に投資を行う。これらを繰り返しながらの事業に臨んでいきます。

高垣 一昨年、発売の商品が2023年度のグッドデザイン賞を受け、ドイツ・ベルリンでも「iF DESIGN AWARD 2024」賞、そして「reddot design award 2024」を受けました。八幡化成は、企業規模は小さくても商品のオリジナル性を肝としているメーカーです。

大阪・関西万博に出展
岩﨑
 今年4月開催の「大阪・関西万博」に、所属団体の西日本プラスチック製品工業協会の選抜18社から出展します。「未来のプラスチック製品」として、弊社は再生植物由来バイオマスプラスチックの成形品を紹介します。

鴻池 スケーターの現在、売上高は158億円です。1938年、個人企業として万年筆の製造・販売から事業がスタートしました。当時の材料はセルロイドでしたが、その後、プラスチックに切り替えました。

時代のニーズが生活全般の雑貨品へと広がるのに伴い、1972年ごろから食器を扱い始めました。これが当社の原型となりました。プラスチック製の弁当箱、箸、はし箱、さまざまな台所用品など利便性、経済性などが、広く大衆から受け入れられました。繁栄への礎となったようです。「他社と違うものを市場に出していこう」。競合する他社商品との違いにこだわり続ける姿勢が業容の拡大につながったのでしょう。その後、「市場で消費者が欲しがっているものは何か」にこだわりました。人々の暮らしを丹念にリサーチしていくという姿勢で物づくりに励んできました。
(終わり)