魔法瓶3社商品 国立科学博物館が登録
国民生活に顕著な役割
2026年9月8日、魔法瓶メーカー3社(タイガー魔法瓶、象印マホービン、サーモス)の商品が国立科学博物館の重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)として登録された。
登録の基準は「国民生活の発展、新たな生活様式の創出に顕著な役割を果たしたもの」「科学技術の発展の重要な側面及び段階を示すもの」だった。
この制度は同館が日本の産業技術の中でも国民生活や経済面などへの顕著な影響、などに該当するなどが基準に選定し、データベースとして系統的に集積している。
登録制度は2008年から始まったが、第一号には1910年制作した日本で現存最古の変圧器をはじめ、翌年12年、現存最古級の艦艇用ボイラーなどが登録されている。近年では電卓普及の契機となったカシオミニ72年、日本で初めての純国産大型ロケットの同型機97年がある。
2026年度は13件で、現在国内唯一となるガラス製魔法瓶用の真空二重瓶製造装置(象印ファクトリー・ジャパン)などが登録された。合計408件が登録。

【軽い操作で注湯】
タイガー魔法瓶の「レバー式エアーポット PNB型」
登録番号:第00406号
製作年:1985年
座ったまま、指に力を入れずに湯が注げるこの魔法瓶の開発には女性ソフト開発チームがリードした。てこの原理を利用し、レバーで軽い力で注湯ができる。同時に容量を減らさず本体高さを60㎜下げることができた。

【外から見える湯の残量】
象印マホービンの、押すだけポット「中せんなし『みェ~る』AAB型」
登録番号:第00407号
製作年:1987年。
湯を入れたり捨てたりする際に「中栓を毎回着脱する手間」をなくし、使い勝手を格段に向上させたガラス製エアーポット。中栓には断熱機能と注水経路を兼ね、肩口径部前方に着脱できる揚水パイプを取り付けてデザインの向上にも影響。現在のステンレス製魔法瓶にも受け継がれている。

【ステンレス魔法瓶の先駆け】
サーモスの「アクト・ステンレスポット」
登録番号:第00408号
製作年:1978年
日本での業界初の高真空ステンレス製魔法瓶1号。「割れない魔法びん」として、当時の高い技術力が生み出した画期的な製品。これをきっかけに他社も参入し、一気に市場は拡大。マイボトルとして、生活必需品として浸透する先駆けとなった。登録基準には「科学技術の発展の重要な側面及び段階を示すもの」が追加されている。

3社のほか、象印ファクトリーファクトリー・ジャパンのガラス製魔法瓶用の真空二重瓶製造装置が「日本の魔法瓶文化を支えたガラス製中瓶の製造ライン」として登録された。