創刊から51年続く日用品・生活雑貨専門の業界紙です。話題商品・業界最新情報をいち早くお届けします。

生活雑貨の業界紙:リビングタイムス
トップ > インタビュー > 石川宣博・中山福社長 インタビュー
2021年07月26日

石川宣博・中山福社長 インタビュー


 石川宣博・中山福社長

「リアル展示会」開催要望強く
現物出品の展示やメーカー担当者らと直接、コミュニケーションを交わしたいとの得意先の要望が根強く、これが最適だとして今回の開催となりました。

小売業の求めているニーズや商品情報の提供に応えていくことに尽き、その中身はリアルであることが大事で、開催にあたってここにこだわりました。

昨年は巣ごもり需要の追い風を受けたのですが、「今年は望めない」というのが得意先の共通した認識でした。好調だった前年の業績を下回らないためのヒントを探ろうと懸命です。どうアピールすれば売上増に結びつけられるのか、目新しい情報を一層強く求められているのを感じました。

終息の時期は見通せませんが、コロナをきっかけに消費者の行動に変化が見られます。例えば、外食を控えて自宅で夕食をする。通勤を減らして自宅でも仕事をする。

こうした流れは完全には元に戻らず、家庭内で過ごすのに必要なものに関心が高まると思われ、需要は今後「大きな山」ではないが、「小高い丘や高原」のような状況で断続的に起きてくるでしょう。

得意先の要望の中で、各社オリジナル商品への要望が強まっています。具体的に商談に踏み込もうとする姿勢は従来になく強く感じます。

大手小売業では問屋を介させず、商品の企画開発から販売、在庫管理など、独自の力で完結されます。しかし、限定した地域で店舗を展開されている小売業にはそうした商品開発は限界があります。ここにわれわれに期待される領域があります。

ベストコはWFP(国連世界食糧計画)、SDGs(持続可能な開発目標)といった国際規模の社会貢献・活動に賛同し、アピールを行っていきます。食料不足の国々への支援や環境問題に真剣に取り組むことは調理道具を扱い、国内外の企業や人々と繋がりのある当社にとっては今後も強く意識していくことが大事です。

コロナ禍を契機に海外市場にも関心を強めています。ASEANに限らず、海外全般にそうした傾向がうかがえます。まさにコロナがカルチャーを変えつつあると言えるでしょう。

今、ユーチューブやSNSが急速に普及しており、新しい情報発信の在り方が注目されています。小売業もメーカーもそこを強化しています。努力されているメーカーに報いるよう、われわれ問屋も商品情報の伝え方についてより工夫を凝らすことが大事と考えています。

来年初の予定で、組織変更を行います。物流・営業体制を再編・強化し、問屋業としてより専門性を追求していくための変更です。

主なところでは首都圏や東北エリアでの物流や営業の強化拡充を図っていく考えから、常総支店(茨城県笠間市)は「東関東支店」に、仙台支店(宮城県岩沼市)は「関東支店仙台営業所」としてそれぞれ2022年1月1日付で変更します。