【新社長インタビュー】 山中千佳・ピーコック魔法瓶工業社長
「いいもの作りへ」
2015年7月1日付、ピーコック魔法瓶工業(大阪市)の新しい代表取締役社長に山中千佳氏が就任した。ゴルフ関連の会社で営業を担当の後、2006年、同社に入社。主に財務を担当。同社代表取締役会長・山中茂弘氏の長女。
――社長就任後、取引先を訪問されて。
山中 「大変厳しい時期での就任」というご指摘や、「女性の経営者が少ないが、がんばって」などの声援、「他社にない、いいものであれば売れるので、もっと提案をしてほしい」という要望もいただきました。
オリジナル性の強い商品を望んでおられるのだと受け止めています。
――商品開発に対する取引先の要望が高いと。
山中 これまで魔法瓶業界では新製品の創出は大手メーカーに偏りがちで、それを良しとした空気もありました。
「商品開発ありき」がメーカーの身上です。取引先の声を直接お聴きしたのを機会に商品開発、企画提案など、積極的にしていきたいと考えています。
開発部門の人員を補充したり、コストをかけたり、女性の目線を盛り込んでいきます。
ほとんどの売り場は圧倒的に女性が多いわけですから、女性が商品開発に関わることは有利です。
――グッドデザイン受賞商品もあります。
山中 商品開発の担当者は常にGマーク受賞に意欲的で、毎年、出品してます。
消費者の目に留まり、手に持ってもらえる色や形、特徴のある機能商品など、存在感のある商品を開発していきたい。デザイン力の強化は大事です。
一方で雑貨関連など他社との共同制作では、保温保冷商品のメーカーとして専門性を生かしていきます。生産ロットや価格の在り方なども、既存の手法にとらわれずにメリハリを利かせていきたい。
――営業面では。
山中 企画や提案といっても、能力や経験には個人差があります。ゴルフ関連会社の営業をしていた前職の経験からすると、フットワークも大事です。動きに比例した成果も生まれます。
――どのように進めていきますか。
山中 今年は創業65周年にあたることから、9月初め、社員ら80人で開く記念食事会の折、所信の一端を述べます。社員間の交流や全社的な意識の改革、社内態勢の見直しなど、いいモノ作りを進めていきたい。
ピーコック魔法瓶工業株式会社 http://www.the-peacock.co.jp/
創業 昭和25年9月1日
資本金 3,000万円
本社 〒553-0002 大阪市福島区鷺洲5丁目12番20号
事業内容
・ガラス製魔法瓶
・ステンレス製魔法瓶
・電気ポット
・携帯用保温・保冷容器
・チーズフォンデュ
・カセットコンロ・ボンベ
関連会社 ピーコック株式会社(輸出部門)