【インタビュー】 川崎德太郎・オーエスケー社長
弁当箱総合メーカーへ
――2015年を振り返ると。
川崎 いい意味でも、「妖怪ウォッチ」に振り回された年でした。絶頂期は過ぎたが、依然人気は高い。一様でない動きがキャラクタービジネスの難しいところです。
直近の業績は年商39億3200万円(申告所得、前年度比129%)、前年が30億4900万円(同)でした。
スヌーピーも国内の版権元の仕掛けなどが奏功し、じわじわと業績を伸ばしています。今年末、日本でも3D映画が公開される予定。
――OEMにも力を入れ始めました。
川崎 営業部の開拓意欲が原動力で、今年、ギフトショーで立ち上げたところ、反響があった。1951年の創業以来、保有する金型は数多く、切り口を変え、需要の掘り起こしに期待を寄せています。
――ベビー用品業界も。
川崎 ベビー用品業界は品質が最優先です。国内で作っているから品質の保証された国産品であるとはいえません。評価されるべき国産品とは商品本体の品質のほかに流通コストや納期といった事案なども含まれます。
流通関係者が当社工場を見学され、生産環境など、メーカー姿勢を評価してくれています。本社、工場、商品センターのISO9001、14001の認証取得が浸透しているからでしょう。
――来年は。
川崎 2016年5月の定期内見会をめどに、「総合ランチボックスメーカー」を強力に進めていく考えです。
弁当箱はプラスチック素材が中心ですが、これまでもアルミ製やステンレス製などもそれぞれ素材感に沿って多様な売り場を作り、利潤確保にも貢献してきました。
弁当箱市場を総合的にとらえることで魅力のある売り場づくりを提案していきたい。
――そのための課題は。
川崎 商品開発がその核になります。メーカーは営業や製造よりもまず、商品企画力が伴わなければいけないと考えています。
3Dプリンターによるダミー(試作品)などを積極的に多用し、発表の機会を多くしていきたい。メーカーとしての持ち味がもっとも発揮できるのは商品づくりです。温めてきた企画を積極的に発表していきたい。提案力も力を付けなければいけません。
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