ナフサ不足 三重県内製造業へアンケート調査【帝国データバンク】


原油高騰・供給不安
「3カ月未満続けば影響重大」2割超の企業
帝国データバンクが 2026年4月上旬に行ったアンケートでは、中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰や供給不安が経営に「マイナス影響がある」とした企業の割合は 96.6%に上り、ほぼすべての企業で悪影響が及ぶことが判明した。
「原油高がどれほど続けば主力事業の縮小につながるか」を聞いたところ、4 割超の企業が「6 カ月未満」と回答した。なかでも「製造業」では 22.8%が「3 カ月未満でも経営に重大な影響が及ぶ」とみており、事態は深刻さを増しつつある。
足元では、ナフサから精製する基礎化学品のエチレンで減産の動きがみられ、塗装用シンナーなどの溶剤をはじめ、関連製品では品薄感から調達が難しくなっている。プラスチックや合成ゴムなどでも影響が広がり、大手住設機器メーカーがユニットバスの受注を停止したほか、住宅用断熱材や食品用フィルムなど幅広い製品で値上げや販売制限といった動きが相次いでいる。
こうしたなか、四日市に事業所を構える化学メーカーの一部では、原料確保を優先するために生産計画の見直しや稼働調整を行う動きもみられ、供給面での不透明感は一段と強まりつつある。
政府は 4 月 14 日時点で、中東情勢の影響によるナフサの供給不安について「日本全体として必要な量を確保できている」との見解を示し、「流通の目詰まり解消」で事態の打開を図る方針としているものの、短期的な解決は難航することが予想される。石油化学製品のサプライチェーンはすそ野が極めて広く、食品や日用品など生活に身近な品にも間接的に深く関わっていることから、当面は多くの製造業で連鎖的な「事業縮小リスク」にさらされる可能性が高い。
こうした構造を背景に、石油化学関連産業が集積する三重県では、ナフサ調達不安の影響が化学品製造にとどまらず、塗料、合成樹脂、電気機械器具、紙器・包装資材など幅広い製造業に波及しやすい状況にある。
さらに、食品製造分野でも包装用フィルムや衛生資材を通じた間接的なコスト上昇が進んでおり、県内企業では「原材料価格の上昇に加え、調達そのものの先行きが見通しにくい」との慎重な見方が広がっている。