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2014年01月14日

【帝国データバンク 調査】 主要百貨店96社の2012年度 経営実態(本文)

1.全体は微減収、大幅増益 〜地域別では「東北」が唯一の増収、損益も黒字転換〜 
 調査対象となった主要百貨店 96 社の 2012 年度の売上高合計は約 6 兆 6743 億 5400 万円と、前年度との比較で 0.7%の減少となった。半面、利益は 364 億 5800 万円と同 49.3%の大幅な増加。 

 地域別では、「東北」は全 9 地域中で唯一の増収となり、損益面でも黒字転換。残る 8 地域は減収となったものの、損益の動向には大きな格差が生じる結果となった。 

 「東北」以外にも「中国」が黒字転換、「四国」が大幅増益となっており、地方が健闘していることがわかる。一方、「関東」、「中部」、「近畿」の 3 大都市圏のうち「関東」と「中部」は減収減益を余儀なくされ、「近畿」は減収赤字(ただし赤字幅は若干縮小)と、総じて振るわぬ状況となった。 
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2.増収・減収企業数の推移 〜「東北」好調、「関東」も改善、アベノミクスも後押し〜 
 地域別の増収・減収企業の分布をみると、2012 年度は増収企業数 33 社に対して減収企業数は61 社に達した。これは、全 9 地域中、7 地域で減収企業数が増収企業数を上回り、「中部」、「九州」などでは特にこの傾向が顕著だったことが要因だ。 

 こうしたなかで、「東北」は 、2012 年度は唯一、増収企業数が減収企業数を上回った地域で、2011 年度との比較でも好調を維持した。 

 また、「関東」の増収企業数も 2011 年度の 4 社から 2012 年度は 10 社と大幅に増加し、一方では減収企業数が 18 社から 12 社へ減少した。 
 全体としても、2011 年度の増収企業数 28 社に対し 2012 年度は 33 社へ増加、減収企業数は同じく 67 社から 61社へ減少しており、アベノミクスも後押しとなって業績回復の傾向が表れていたことがわかる。 
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3.黒字・赤字企業数の推移 〜黒字 63 社に対して赤字 29 社、〜収益改善傾向続く 
 地域別の損益分布で黒字・赤字企業数の推移をみると、「関東」は全 23 社中 18 社が黒字を確保し、一大消費地としての存在感を見せつけた。「北海道」も 5 社すべてが黒字であり、「東北」も10 社中 8 社が黒字。「近畿」も黒字 6 社に対し赤字は 2 社にとどまっている。 
半面、「中部」や「中国」、「四国」、「九州」などは黒字企業数と赤字企業数がほぼ均衡する結果となっているが、全体としては黒字企業数 63 社に対して赤字企業数は 29 社にとどまり、地域別の増収・減収企業の分布とは逆の傾向が出ていることがわかる。 
総じて、百貨店業界は 2011 年度、2012 年度と収益改善傾向が続いていると言えよう。

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4.増収率ランキング 〜上位 20 社中、「東北」から 7 社がランクイン〜 
増収率ランキング上位 20 社中、「東北」からは 7 社がランクインした。 
首位の(株)マリーン 5 清水屋は、(株)中合(福島県)の清水屋店が 2012 年 2 月に入居していた商業ビル「マリーン 5」から撤退し、ビル運営会社であった当社が百貨店に業態変更し店舗を継承した特殊要因がある。テナントも大幅に入れ替え、フランス料理店、大型書店などで集客力を高めた。 

第 2 位の(株)うすい百貨店は、2003 年に産業再生機構が支援、三越(現・三越伊勢丹ホールディングス)の資本を受け入れ、再建途上。創業 350 周年記念イベント、震災復興需要で好調。 
第 3 位の(株)エマルシェは、2001 年にマイカルに連鎖倒産。幾度かの資本移動を経て、2011年にMBOを実施。震災復興で高額商品が好調だったが、累損で債務超過となっている。 

第 4 位の(株)遠鉄百貨店は遠州鉄道が 100%出資。本館リニューアル効果で増収となった。 
第 5 位の(株)ジェイアール東海高島屋は、JR東海 59%、高島屋 33%出資。開業以来右肩上がりで成長を続け、駅ビルの利点を活かしたテナントミックスで高収益体質を実現している。 
総じて、体力ある大手ほどリニューアル効果で増収、ただし先行投資負担で減益、もしくは赤字のパターンが多い。

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 5.売上規模別の増収・減収企業、黒字・赤字企業 〜大手・準大手が収益改善、底堅さ目立つ〜 
売上規模別の増収・減収企業の分布をみると、苦戦が目立つのは「売上規模 50 億〜100 億円未満」の中堅クラスで、増収企業わずか 3 社に対し、減収企業は 13 社に達する。 
一方、「売上規模 100億〜500 億円未満」の準大手クラスでは増収企業数が前年度の 13 社から16 社へ増加、減収企業数も 33 社から 29 社へ減少した。 
同様に、売上規模別に黒字・赤字企業数をみると、「売上規模 100 億〜500 億円未満」では 33社が黒字を確保、赤字は11 社に過ぎず、「売上規模 500 億〜1000 億円未満」でも黒字 11 社に対し赤字 3 社となっている。 
総じて大手・準大手の収益改善、底堅さが目立つ結果となっている。 

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6.まとめ 〜収益体質の強化、アベノミクス呼び込む土壌に〜 
 百貨店の倒産は、2011 年 3 月の(株)中三(青森県、民事再生法、負債 115 億円)を最後に発生していない。 
 ちなみに、もっとも倒産が多かったのは 2000 年度。32件の倒産が発生し、うち 23 件が事業継続型の民事再生を選択した。以降、累計の倒産件数は 53 件に達しているが、この 2 年半の間、百貨店の倒産はない。 

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 2012 年度、百貨店業界は自助努力によって大手・準大手を中心に収益体質を強化し、アベノミクスによる景気回復の恩恵を呼び込む土壌を作り上げていたことが今回の調査で明らかとなった。  日本百貨店協会の「全国百貨店売上高概況」によれば、2013 年に入ってからの百貨店の月次売上高は完全にプラス基調が定着したとは言えないものの、増加幅は昨年よりも拡大し、順調な増加傾向をたどっている。2013 年度は本格的な業績回復が期待できることとなろう。