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2024年12月31日

❶座談会 家庭用品業界の今 問屋・メーカー代表者8人

リビングタイムス主催
家庭用品業界の今 問屋・メーカー代表者8人が語る

 

ご出席の皆さま 発言順・敬称略
橋本謹也・中山株式会社 社長
廣野裕彦・天馬株式会社 社長
岩﨑能久・岩崎工業株式会社 社長
池永一雄・池永鉄工株式会社 社長
山中千佳・ピーコック魔法瓶工業株式会社 社長
鴻池良一・スケーター株式会社 会長
中沢義博・梶原産業株式会社 社長
高垣克朗・八幡化成株式会社 社長

(リビングタイムス主催の座談会は2024年11月25日、大阪市内のホテルで開催)

海外旅行客による需要が上向き、賃金・時給の引き上げに注目が集まるものの、2025年は旺盛な消費を引き起こす魔法は望めず。
高齢化・人口減少が国中に広がっている。
業界8社のトップ陣は今年、どう臨もうとしているのか語ってもらった。

 

防災対応で商材拡大も
【自然災害・気候変動の対策】
橋本 2024年は、能登半島地震や日向灘地震、それに加え豪雨などの自然災害が多く発生した年でした。災害発生時にはホームセンター等が防災関連用品の供給基地の役割を担うことから、中山福へも防災関連用品の供給要請がありました。

そのような要請の中で、当社が現在取り扱っている商品以外にも広げて欲しいといった声があります。災害発生時だけではなく、平時での備蓄・在庫の必要性、さらに賞味期限のある食料品などの扱いの是非など、多岐にわたります。こうした対応には当社のみでは限界があり、関連メーカーと連携し対応していきたいと考えています。

廣野 天馬では、BCP(事業継続計画)の一環として、災害やテロ、システム障害などの突発的な事案に対して、あらかじめ企業が取るべき対策・計画を想定しています。大震災などで工場での生産ができない事態に備え、金型を分散保管することで生産を継続できる体制を構築しています。

また、東日本大震災の際には、西日本や九州など被災しなかった地域のお客様から安定供給の可否について多くの問い合わせをいただきました。そのため、現在では直下型地震に備え、受注業務対応の分散化を行っています。また、年に2回、社員の安否確認訓練も実施しています。

太陽光パネルの設置については、国内では2020年に増改築を行った滋賀工場に設置済みです。しかし、建築年数の古い工場では屋根の耐荷重の問題、東北地域にある工場では日照時間の問題などにより設置には至っていません。なお、海外拠点のベトナムとタイでは、すでに設置を完了しています。

岩﨑 2年半前から、資源環境対策はテーマの1つに掲げてきました。太陽光パネルを建屋1200坪の三重県松阪工場屋上に新設しました。中部電力と共同で、1月経産省補助金事業として認可、2月から稼働。消費電力量の25%を太陽光発電でまかなうというものです。曇天では18%程度、太陽光でまかなっています。

池永 災害への備えとして鋳造に用いる金型を一カ所に保管せず、数か所に分散し保管しております。

山中 ピーコック魔法瓶工業は電力を使用しない高い保温・保冷性能を誇る節電商品を取り扱っています。省エネ需要が高まる中、これらの商品を通じて社会貢献を目指し、社内でも無駄な電気の使用を避け、省エネ意識を強化しています。

当社のジャグキーパーやクーラーバケットは災害時に水確保や炊き出しに貢献しています。災害用に開発したものではありませんが、災害時での活用についても検討を進めています。

また、携帯氷嚢(ひょうのう)「アイスパックシリーズ」も、熱中症のリスクに対してお役立ていただけており、これまで培ってきた真空断熱技術を応用した商品を引き続き開発し、課題解決に取り組みたいと考えます。

●●● 2に続く ●●●