ドラッグストア 2019年小売業勝ち組
コロナウイルス渦以前の2019年(1月~12月)の業態別小売業の勝ち組はドラッグストアと家電量販、コンビニだった。一方、負け組みはホームセンター、百貨店、スーパー。ホームーセンターは少なくとも3年連続、前年を下回り、店舗数も足踏み状態だ。
統計にはないものの通販は1・6兆円(18年、8・5%増)で、19年も当然、前年を凌ぐ勢いであるのは容易に想像できる。生協は個人宅まで配達される個配の供給高(売上高)は1・2兆円(18年、2・6%増)。
日本の消費は19年10月の消費税率アップで急減速し、年が変わって20年コロナウイルスで失速に近い状態だ。19年の主な小売り業態の業績をまとめた。
ホームセンターの市場規模を1とした場合、ドラッグストアと百貨店はそれぞれ2倍、コンビニは4倍に当たる。家電は1・4倍。
ホームセンターの販売額は3年連続前年に比べて減少している。店舗数も4300台で止まった。ただ、「家庭用品」はわずかだが増加した。家庭用品にとってホームセンターはいわば頼みの綱ともいえる。
減退の原因はホームセンター市場を支えてきた世代が高齢化したことと、これに続く世代が低収入や100円ショップは言うに及ばず、通販やドラッグストアへと買い場を移行させたことだ。
ホームセンター自体も主客は建築や水道などのプロたちに切り替えたことも拍車を掛けた。
百貨店の不振はいわば慢性疾患の様態で、体質改善は劇的には進んでいない。絶頂期は1991年12兆円で、以後現在まで下り坂。盛り返しはあったものの、ほぼ毎年、前年割れを続けている。
一方、新成長のドラッグストアは年率5~6%で伸ばしている。販売額・店舗数とも順調だ。「家庭用品・日用消耗品・ペット用品」も食品や化粧品などとともに上位3位の貢献度である。
家電量販は安定の3%成長だ。
スーパーは足踏み状態だが、食品回帰に取り組んでいることが総販売額の増加から伺える。しかし、「家庭用品」はすくなくともこの3年間、連続減少。ここでも「家庭用品」への傾注度合いが軽くなっている。
既存の小売業態を圧倒しながらアマゾンをはじめ通販はコロナ渦の中で成長している。
2018年のBtoC-EC の市場規模は 1 兆 6,083 億円で、対前年比8.55%上昇した。1 兆円を超える5カテゴリーの1 つだ。EC化率は22.51%。BtoC-EC の売上の内訳は、約7割が「家事雑貨、家事用消耗品」、残りの約3割が「一般家具、インテリア、寝具類」である。
家事雑貨、家事用消耗品は取扱品目数が非常に多い半面、個々の商品単価が安価で、品ぞろえとコストとのバランスが課題と想定される。
一方、生協は個人宅まで配達する個配供給高(売上高)は1兆2937億円(前年比2・6%増)で地域生協の総供給高の45%を占めている。