【インタビュー】奥村陽・オクムラ社長 「取引1件ごと積み重ねて」
奥村陽・オクムラ社長
2017年8月、奥村好信氏(現・会長)から引き継いだ奥村陽(あきら)社長。就任後、初の商談会となった。表層的には見えない、企業のトップ交代に伴う改革は進んでいる。得意先へは、「信頼され、必要とされる問屋」を念頭に置くという姿勢を貫いていく。
――社長就任後、初めての見本市です。
奥村 出展メーカーは88社で、例年並みの出展規模です。ガラス器や洗濯用品関連のメーカーが新規で出展されました。
企画構成は前回まで私が担当していましたが、組織として運営していくうえで、それぞれ担当者に作業分担をお願いしています。
今回、企画コーナーのねらいは全体的なイメージよりも、個々のメーカーの商品を前面に押し出すようにしました。現実的な商談が交わせて、開催終了後にも生きてくると考えました。
――2017年度(17年1月~12月)の業績について。
奥村 オクムラ単体の売上高50億円弱。増収増益でした。
予算達成の主なけん引役となったのは得意先の新規開拓と、16年9月、立ち上げた大阪支店(大阪府堺市)が前身のシンエイから取引のあった海南産地品メーカーの新規商材も加味され貢献しました。
――今期(2018年度)の課題は。
奥村 トップの交代があっても当社の新規開拓へのこだわりは引き継がれていきます。
新規開拓の際、海南産地メーカーの商材を当てる、同様に既存得意先の深耕にもこれを活用する。海南産地のメーカーも新たな得意先とのつながりに期待を寄せています。
新規の得意先の業種や業態は多様です。取引額の多さより、1件1社の取引を大事にしています。これがオクムラ流です。選択と集中のビジネス手法とは逆行します。
今期、売上高目標は5%増を想定しています。営業担当者には具体的な指示・確認に心がけています。担当者の課題や目標達成へのハウツーを明らかにしながら得意先に臨む。現場に沿いながら手法を探っていきます。
(2018年2月、京都市で開催の見本市でインタビュー)