中山福 2019秋冬見本市 【報告】
インテリア園芸を楽しんで
中山福主催の「133回 中山福見本市 2019秋冬」が7月9日~11日の3日間、横浜市内のパシフィコ横浜で開かれた。
広いスペースと大掛かりな演出に代わって、来場者が足を止め、会場のあちこちで実演・展示の商品を手に取り情報を交換するといった光景が見られた。1年前、初めて手掛けた自社オリジナルブランド「ベストコ」の「室内インテリアの園芸」は品ぞろえを強化し、新たな事業領域への広がりが着実に進んでいることをうかがわせた。
出展は116社。来場は210社850人余、うち新規・海外は19社だった。
専門業者とは違った園芸市場への取り組み――フェイクグリーン(人工植物)を前面に、生活空間の提案を打ち出した。今回はサボテンやコーデックス、ヘキサゴンなど造形の不思議を楽しむ多肉植物、観葉植物が品数を増やした。
壁面に取り付けたり、吊り下げたり、窓際やテーブルに置く素焼き鉢や蔓(つる)製に似せた籠、球形ガラスなど、見せ方と楽しみ方の選択肢を増やした。バラエティーに富んだグリーンによる生活空間を提案だ。
園芸の延長線上にある大型商品ではブリキ製アンティーク風の収納バケツ、木製箱などが存在感をアピールした。
キッチンやトイレの床に敷くマットにPVC製の優れた機能を盛り込んだ。マットは防水のため、表裏とも汚れはひと拭きの手間要らず、適度なクッションや滑り止め、足音を階下に伝えないなどの効果もあり、ペット用マットもそろえている。
組み合わせを自由にできるラック型と突っ張り式の収納用品はクローゼットを再現し、実物の子供用衣類をイメージ陳列するなど、シーン別に紹介した。
防水・透湿・軽量の素材タイベックの傘カバーはデザインの変化も楽しめる。企画棚割りコーナーは、日常化する災害に備えた「防災特集」で7本の棚を構成。
昨年秋から売上アップに貢献しているマルチ台紙・ボックス企画は用途・シーズン別に分かりやすく展開されており、営業担当者と取引メーカーが共同で小売業の要望に沿った企画を促すというのが狙い
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実用新案・意匠登録のエンボス加工フライパン、小容量140mlや楕円形のステンレスボトル、真空断熱機能を備えたアイスクリーム容器など、新しい商品を1つでも多くという姿勢で臨んだ。
初日、産学連携の取り組みの一環として東京家政学院大学の学生20余人が招かれ、見本市会場を見学。リポートをまとめるという。