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2018年12月05日

インタビュー 糸藤夏樹・梶原産業社長

万博の機運を盛り上げる 善後策が大事 消費税率引き上げ
 2018年、流通業界は全体に盛り上がってこないので各社とも苦労されている。加えて歴史のある問屋が残念なことにもなりました。

 売上が上がってこない上に、物流費が急上昇し、収益を圧迫しています。メーカーも問屋もどこで回収するのか、なかなか打開策が見つからない。小売業も同様で店舗間の物流経費を含めて上がっており、関係者全員で苦戦している状態です。

 こうした中で当社が何をするのか。今、業態を問わず開拓掘り起こしをしてます。もともと地方の問屋への卸が主体でしたが、同じ地方でも売り先は小売業へと移行し、今、その小売業は店舗過多な状況です。法人数は減り、集約化が進んでます。価格競争に陥ることなく、違った条件提案を示していかなければならない。

 新規開拓は簡単に実るものでなく、1年、2年で結実するのは上々で、とんとん拍子にいくような取引は与信面の懸念が拭えない。

 地域によっては既存の得意先との兼ね合い調整などの配慮も必要です。

 それでもこうした展示会をきっかけに新規対象の企業を招き、扱っている商品を知ってもらい、出展メーカーを通じて当社の全容の一端を知ってもらえる。

 今回も多様なお客に役立つことは何かを念頭に、作戦を練り、準備をし臨んだ。ビジネスには安直な近道はなく、基本が大事だと考えてます。

 今回、万博大阪誘致が決まったのは望ましい。これをきっかけにホテルの新増設や飲食業の充実化が図られます。こうした業界と接してればビジネスチャンスはある。関西が一丸となって盛り上げ成功させたい。盛り上がった機運を持続させていくか、われわれの知恵が試されます。

 2019年10月、消費税率は10%に引き上げられる。実施直前の商品の調達にも力を注ぎ、小売業には実施後は業績が落ちないようメーカーと共にしっかり売ってもらえるアイデアを提供していきます。

 政府は税率アップの影響を緩和させるためカード購買による特典など打ち出そうとしているが、これらの特典の恩恵をうけない客層もある。プレミアム券を発行しても近隣の町村で自由に使えない。

 自分たちの街で自分たちが商売をできることを考えていかないといけない。
(2018年11月27日・28日開催の電響社グループ商談会の会場でインタビュー)