【インタビュー】 川崎德太郎・オーエスケー社長
3年目途に「新しい」に取り組む
収納箱を連想させるコンテナ型のランチボックスや野菜のプリント柄を張り合わせたランチボックスなど、今回の内見会では従来のオーエスケーの枠にこだわらない新規商品を前面に押し出した。キャラクター商品のメーカーから異素材を取り込んだ総合メーカーへと広がりを見せている。川崎德太郎社長に当面の考えなどを聞いた。
キャラクター商品やランチボックスの主力販路先である量販店のほか、新たな販路として雑貨などを販売する専門店の販路開拓が不可避の課題になっています。
今回の発表会で専門店の客層に合わせた新商品を発表しました。
工具箱を思わせるランチボックスを想定したコンテナボックス、野菜柄の布地を張り合わせ加工したランチボックスなど、これまでのオーエスケーにはなかったデザイン、テーストに仕上げています。
1年前の内見会でも野菜のイラストをあしらったランチボックスなどを発表しており、こうしたデザインイメージを受け継ぐ路線です。
今年6月、東京で開催の展示会「インテリアライフスタイル」に初出展しました。前後して原宿では単独で内見会を開き、2つのイベントが連動させて取引先の開拓につなげています。
新規販路に沿った商品化を進めていくことから、新たに「開発課」を新設しました。キャラクター商品を受け持つ従来の商品課と並列しており、営業面でも販路開拓の専従担当者を投入しました。成果の可否は3年を目途としています。
新規に取り組む背景や動機は少子・高齢化、人口減少などがあり、こうした現象を受け止めながら、新たな自社商品を進めていかないと企業存続の保証はありません。
今回内見会では、新しい形状・新しいカテゴリー、新しい素材と提唱しています。プラスチック製品の加工が専門だった当社が取り組んでこなかった分野へ積極的に取り組んでいく姿勢を前面に押し出しました。
異素材商品は企画は当社であっても製造は他社というのが前提ですから、すべてが順調に、円滑に進むとは考えられないが、徐々に解決していけるでしょう。
人手不足が製造現場を変貌させています。当事者意識を醸成してもらう問題の解決など、トップダウンでは解決できない問題課題に取り組んでいます。コストダウン、合理化が進んでいます。
メーカーにとって商品の開発、商品の高品質志向は絶対的なものです。メード・イン・ジャパンとして、海外製品に対抗し得る商品力の強化は生命線でもあります。
(2017年6月21日、同社本社で行われた内見会会場でインタビュー)