鴻池良一・スケーター会長【インタビュー】
鴻池良一・スケーター会長
販路開拓と商品企画
今年春、需要期の直前、コロナ禍に真正面から遭遇。その危機を乗り切るきっかけとなったのがマスクの販売だった。「新販路・新商品・信頼」を唱えつつ、進取の気風を企業の体質としてきたのがスケーター(奈良市)。「ピンチをチャンスに」を有言実行している鴻池良一会長に奈良本社と東京、福岡の3会場で2020年11月半ばから開く展示会の見所について聞いた。
新しい販路が確実に実ってきています。インターネット通販とドラッグストアでの販売増が顕著で、これに伴いそれぞれの販路に沿った商材を提供するとこに力を注いでます。当然、従来の商品とは違った新規が増えています。
2020年11月中旬、開催の「秋季社内展示会」では新しい販路にふさわしい商材を前面に押し出していきます。
秋季展示会は翌年の5月~9月に販売される商材――行楽用品や梅雨対策用品、真夏に必要な用品などを紹介していきます。
例えば、抗菌加工を施したもの、ランチ商材では強力な汁モレ対策のパッキン一体型タイプなどを出品します。エコバッグなどは新しい販路に向けます。
在宅勤務などで自宅に長時間いる「巣ごもり需要」が急増しており、調理用保存容器やそのほかの調理用品などを強力に供給しました。
行楽用品はコロナ被害をもろに受けたため2020年前半は需要は消滅状態に陥りました。今、兆し程度ですが、行楽用品の需要は次第に回復し始めてきました。
今期、売り上げアップに大きく貢献したマスクの着用は「生活習慣」として定着しようとしてます。ですが、その反動による減少にも備えければなりません。補完できる新たな商材の発掘にも力を注いでいきます。
長靴や傘などは雨天対策の代表的なアイテムですが、販売をより安定化させるには商材のトータル展開は絶対条件です。
スーパーのレジ袋有料化を受けて消耗品だったものにキャラクターを付けたり、袋の強度を高めたりして、「使い捨て・使い切り」ではない商品に仕立て直しました。新たに需要を作りました。
このほか、専門分野の方々との共同企画ではペット用ベストや食器などで先発メーカーとは違った特徴を盛り込みました。
販売額で見ると弁当箱やステンレスボトルなど、依然比重は高いのですが、新販路の開拓と、それぞれの販路にふさわしい商品を企画商品化していく。
商品開発に貪欲なメーカー姿勢が流通関係者からの信頼形成に貢献しています。
(2020年10月13日、奈良市内のスケーター本社でインタビュー)