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2017年06月23日

スケーター会長・社長就任 披露パーティーに来賓ら200人

スケーター(奈良市)は2017年4月26日の株主総会・取締役会で、鴻池良一代表取締役会長、鴻池総一郎代表取締役社長が就任したことに伴い、6月1日、奈良市内の奈良ホテルで「新会長・新社長就任披露パーティー」を行った。来賓・出席者ら合わせて200人が集まった

就任披露式典では、新会長、新社長がそれぞれこれまでの感謝と今後の抱負を込めた挨拶(別項に記載)をした。来賓として、奈良商工会議所会頭植野康夫氏、ウォルト・ディズニージャパンのシニアゼネラルマネージャーシニアバイスプレジデント中澤一雄氏、藤栄代表取締役社長の岩井重樹氏、スケーター協力会社を代表してローヤル工業代表取締役社長藤本博史氏らが祝辞を述べた。

披露パーティー会場では、来賓の祝辞としてサンリオの下村陽一郎氏、乾杯の挨拶は富士松代表取締役社長の岸本恭太氏が努め、祝宴となった。会場には生バンドが演奏、舞子さんたちも駆けつけ大いに盛り上がり、出席者らは歓談した。

閉会の辞はスケーター取締役営業本部長の遠藤朗氏が出席者に謝意を述べ、3時間近くに及んだ盛大な祝宴はお開きとなった。

祝宴の前、鴻池良一会長と総一郎社長は就任披露式でそれぞれあいさつをした。

鴻池良一会長は経営理念、行動指針、経営手法について触れながら当面、社長・会長は分業しながら4年〜5年を目途に事業を事業を引き継いでいくことなど大枠を説明。新社長に対して、ひたむきな情熱で社業に取り組んで欲しいと望みの一端を話した。

総一郎社長は経営を取り巻く環境について、「1年ひと昔」の変化スピード感という認識のもとで事業に臨んでいく考えを示した。取引先との信頼関係に重きを置く一方、変化対応こそが企業の成長戦略の素であるとの姿勢を強調した。

 

 

鴻池良一・スケーター会長「百周年企業を夢見る
4月26日開催の弊社定時取締役会におきまして、私が緊急動議として代表取締役会長に鴻池良一を、代表取締役社長に鴻池総一郎を提案しましたところ、満場一致で決定していただきました。続く株主総会におきましても満場一致でご承認いただきました。それに基づき、5月中において全ての手続きを完了することが出来ましたことを、今日皆様方に謹んでご報告申し上げます。

業界を取り巻く環境は大きく変化しております。特に人口減少・少子高齢化をはじめ、生活者の意識、ライフスタイルの変化、流通業界の変化の激しさにも驚くものがございます。それに対応する為に全社員の意識改革に伴う体質改善、そして構造改革を実施しなければならないと考えました。

現況の経営能力の維持・発展及び今後のスムーズな経営体制の移行も考え、新会長の席を新たに設け、今後については新会長と新社長の二頭体制で経営していく所存です。

なぜ新社長に鴻池総一郎を抜擢したかと言えば、よく『立場が人をつくる』ということわざがございます。本人自身がその立場を自覚し、外からの目線もこれまでと異なり、その結果本人自身が更に大きく成長してくれるものと願ったからです。その結果、きっと社長としての職責を見事に務めてもらえるものと私は信じております。

今しばらくはこれまで通り新会長は主に商品開発、製造、そして財務、総務を担当し、新社長はこれもまた、これまで通りの営業全般、版権業務全般に加え、新たに人事を担当していただくことに致しました。いうまでもなく、新会長新社長をはじめ、全社員が手を携えて、更なる存続と繁栄発展を目指し頑張っていく所存です。そうして4~5年のうちに全てをスムーズに移管できるように努力して参るつもりです。

大きな目で見た経営方針は以下の通りでございます。

経営理念として『心に愛を、暮らしに夢を』『love in Heart Dream in Living』をテーマに多くの人々に楽しさや喜びや驚きや感動を与えられるような商品の提供を目指しており、お客様の生活に少しでも便利さと心地よさに寄与できればと考えております。

行動指針として、『感謝』そして『挑戦』の基本精神を持ち続けることが大切だと、特に『2C、1S』(change、challenge、speed)即ち変化に素早く対応。その変化に対して果敢に挑戦。何よりもそのスピードが大事と考えております。

経営手法としては、失敗を恐れず変化に挑戦するポジティブ経営を他社にない独自性のあるオンリーワン経営を全ての関係者が互いに利益を生み出せるWin Win経営を全てのステークフォルダ(利害関係者)の公平、公正、中立、協調を目指すフェアネス経営を目指して参ります。

徹底した情報公開を行い、夢と希望と目的と目標そして戦略を全員が理解共有し、全社員が一丸となって行うような経営を目指して参りたいと考えております。

ここで、少しだけ時間を頂き、私の思いを語らせていただきます。弊社は先代社長が大阪の地で昭和25年(1950年)にスケーター万年筆株式会社として設立し、主に東南アジアや中近東方面に万年筆の輸出をしていたそうです。先代社長は本当に仕事の虫、それでいて誇りたい人でもあり、何事に対しても『全力投球や!』とよく言っていました。それは今思えば前社長の座右の銘ではなかったでしょうか。

その社長も昭和59年(1984年)2月に急逝し、私が突然2代目社長になってしまいました。丁度家庭用品を始めてから11年目の頃でしょうか。あれから33年3ヶ月間、私は社長を務めさせていただきました。私もいつも相田みつを先生の『一生勉強、一生青春』を座右の銘とし、常に夢と希望を心に描き、何事に対しても挑戦してきたつもりです。挫折も失敗も多くありましたが、今になって振り返ってみれば、むしろ楽しかった・面白かった・良かったなあという思いでいっぱいです。

今日からは3代目社長の船出です。新社長は若さとバイタリティー、そしてひたむきな情熱と強い思いを持ち、指導力や統率力、それに計画性と実行力を兼ね備えた人間と私は思っております。彼なら会社を上手く引っ張ってくれるものと信じております。

私の夢物語なのですが、新社長も私と同じように、これから33年間を大過なく務めてくれれば、丁度弊社の会社設立100周年を迎えることが出来ます。私は高い空の上からニコニコ笑顔で眺めていたいものです。彼ならそれを作り上げてくれると夢見ております。

ここで改めて、本日ご臨席をいただいております皆様方に弊社新体制と経営戦略のご理解、ご支援を賜りますことを折にお願い申し上げます。このようなたくさんの方々のご臨席をいただき、大変感謝致すと共に感激、感動を致しております。
誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

鴻池総一郎・スケーター社長 「使命は『ヒット商品』」
このたび私は株主総会の総意を得て社長に就任することとなりました。スケーター株式会社は祖父が起業し、会社の基盤を作り上げ、父が会社の規模を拡大させ現在に至る企業であります。

祖父、父が人生の大半を費やし築き上げたスケーターを私が3代目として引き継ぐわけですので本当に身の引き締まる思いです。

私の使命はまず第一にこのスケーターを次の世代に無事に引き継ぐことだと考えております。縮小均衡による事業の継続を目指すのではなく成長戦略を取りながらの事業の継続を目指します。

そのためには変化が非常に速いこの時代に対し、如何に私たちが時代の変化に対応できるかが争点だと考えております。
私は変化には2つの種類があると考えております。

1つ目の変化は「想定内の変化」つまり「従来の環境下」でのニーズの多様化による変化、そしてライフスタイルの変化だと思っております。当然これらの変化に対して私どもは変化対応しなければならないことは言うまでもありません。2つ目の変化は「想定外の変化」つまり「従来の環境自体の変化」だと思っております。もちろん現在の私たちに今後どのような大きな変化があるかは全く分かりません。

しかし当然ながら私どもはこれの想定外の変化に対しても変化対応しなければいけないことは言うまでもありません。

先日私が聞いた話なのですがあるアメリカの学者の説によれば2030年頃には大学を卒業して就職する人たちの業種、業態は現在ない業種、業態に60%の人たちが就職するだろうとの話でした。

その説が本当かはわかりませんが、今後の私共を取り巻く環境は大きく変化する可能性があることを予感させます。

私は常々弊社の社員と私自身に言い聞かせている言葉として現在の変化のスピードは「十年一昔」みたいな悠長な時代の変化でなく「一年一昔」だと話しております。その気持ちを常日頃から持ちつづけ時代の変化に対し目を光らせないといけないと思っております。

当然ながら過去の成功体験にしがみつくことなく常に変化対応しつつ新たなことに挑戦する気持ちが一番大事だと強く思っております。それができなければ企業は生き残れない。成長することはありえないと強く思っております。

その時代の変化の見極めまた新たなことへの挑戦のもっとも重要なヒント、道しるべはここにいらっしゃる皆様のご意見また情報だと思っておりますので今後とも引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。

第2の私の使命はここにいらっしゃる皆様には先ほど申し上げました私の第1の使命よりも重要なことかもしれませんがやはりヒット商品を作り出すことだと思っております。それが日ごろお世話になっております皆様への私たちができる最大の恩返しだと思っております。

ヒット商品を作り出すための重要なヒントは皆様が持たれております情報、またご意見だと思っておりますので今後とも先ほどの件と合わせてご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。

もちろん商品の開発には私どもの社長であるLove in Heart/Dream in Living 「心に愛を」「暮らしに夢を」のコンセプトは守り続けたいと考えております。今後ともスケーターの伝統は守りつつ時代の変化に対応できる経営戦略を取りたいと思っております。

企業と企業の結びつきは、お互いの利害関係にあることは十分理解しておりますが、私の持論として最終的には「人と人のつながり」また「信頼関係」が一番大事だと思っております。皆様とは定期的な情報交換会もしくは親睦の場を設けさせていただければと思いますので今後とも何卒よろしくお願い致します。

まだまだ若輩者の私ではございますが、今後ともご指導ご鞭撻をよろしくお願い致します。