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2020年10月05日

DCM、島忠買収へ。ニトリも「検討」

 DCMホールディングスは2020年10月2日、21年春を目途に、島忠(さいたま市)との経営統合を進めていくと発表した。株式の公開買い付けは20年12月~21年2月にかけて終了し、5月の株主総会に臨む予定。

 ところが10月20日、NHKなどが「ニトリが島忠の買収を検討している」と報道したことから買収合戦に発展する様相になったきた。

 これについて10月21日付、ニトリホールディングスが「当社が発表したものではない」と代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)の白井俊之氏名でコメントを発表した。

「当社のロマンと中長期ビジョンの達成に向けた経営戦略を策定しており、その一環として、株式会社島忠も含め、M&Aを通じた成長の可能性を日々検討していますが、現時点で決定している事実はございません。今後開示すべき事実を決定した場合には、速やかに公表いたします」

 ニトリの島忠買収についてNHKの報道によると、「島忠に対しては、ホームセンター大手のDCMホールディングスが、完全子会社化を目指してTOB=株式の公開買い付けを実施していて、島忠の買収合戦に発展する可能性が出てきた」というものだった。

 ホームセンター市場3兆3000億円のトップに立つDCMは37都道府県に677店舗を展開しており、連結売上高は4550億円(2021年2月期予想)。

 島忠は地元の埼玉をはじめ、東京、神奈川など首都圏を中心に2020年8月期の営業収益は1535億円、60店舗を展開している。

 ホームセンター企業として全国規模で経営統合を目指したDCMは創業の地が東海のカーマ、愛媛のダイキ、北海道のホーマの3社が発起企業となった。2003年、業務資本提携した。05年、オージョイフルを旧合併したのをはじめ、ホームセンターサンコーやホームエキスポ、サンワドー、ユーホーム、くろがねを組み入れた。引き続き、17年ケーヨーを統合したが、同社の売上高は1110億円(2021年2月期予想)。

 アークランドサカモト(新潟県三条市)とLIXILビバ(さいたま市)は2020年6月10日、資本業務提携し、2021年度中に持ち株会社(ホールディング体制)を設立している。

 ホームセンター市場は3兆円を超えたものの、ここ数年、成長は足踏み状態。大手ホームセンターは専門店化や隣接業態への拡大、100円ショップの出店など多様な業態を模索している。企業間の経営統合は人・物・金・情報を一手に集めるための条件の1つ。今回のDCMやニトリの経営統合構想でホームンセンター業界の再編は再び活発化しそうだ。