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2017年08月22日

矢野経済研究所 2016年度HC市場規模、3.9兆円(0.8%増)

4兆円目前で足踏み 2016年度ホームセンター市場規模
日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会(DIY協会)によると、2016 年度の国内ホームセンター小売市場規模は前年度比100.8%の3兆9,850億円とプラス成長となった。目前の4兆円には届かなかったものの、リフォームなど高額商品の需要が高まったことや、店舗の新フォーマットによる需要の喚起が奏功し、堅調に推移した。

ホームセンター小売市場では、業界内および他小売業種との競争の激化により、資本提携やM&Aなどの業界再編が進んでいる。
ホームセンター事業者各社は、これまでの顧客層とは異なる女性層や若者層をターゲットとした商品戦略や、プロ向け専門店舗やコト消費型店舗の展開、訪日外国人客によるインバウンド需要の取り込み、インターネット販売への注力など新たなサービスを拡大して、新しい市場創出に取り組んでいる。

異なる客層へ
ホームセンター事業者各社とも、女性向け・ファミリー向けの商品ラインナップ拡充など既存顧客とは異なる層に対するアプローチを強化することで、顧客層の拡大に取り組んでいる。
長年、ホームセンター事業者が取り組んできた本格派・正統派のDIYではなく、一般消費者が気軽に楽しめるDIYを提案する動きが活発になっている点も新たな需要を増やし、顧客層拡大の追い風になっている。

17年度予想は0.3%成長
2017年度の出店計画は、好調な大手ホームセンター事業者を中心に積極的な新規出店がみられる。
新しい店舗フォーマットの開発が好調であることから、2017年度の国内ホームセンター小売市場規模は前年度比100.3%の3兆 9980 億円になると予測する。

【調査結果の概要】
1.国内ホームセンターの市場背景・概況
日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会(日本DIY協会)によると、国内ホームセンター小売市場規模は、1970年代は倍増ペース、1980年代~1990 年代にかけては年率10~20%の伸び率で拡大を続けてきた。2000年代以降1%台とそのペースは鈍化傾向となり、2006年度からマイナスとなった。

2014年度は前年度比98.7%、2015年度は同100.7%、2016年度は同100.8%と推移しており、ほぼ横ばいの状況が続いている。
この状況は投資費用の高騰などにより新規出店ペースが明らかに抑制されていることが要因だが、インターネット通販や他小売業種の家庭日用品取り扱かい拡大など販路の多様化による競争激化により、既存店の売上停滞から脱却できていないことも大きい。

ホームセンター店舗の新フォーマット
一方、これまでにない新しいフォーマットの店舗が開発される機運が高まるなど明るい兆しも生まれている。
2016年度の国内ホームセンター小売市場規模は、前年度比100.8%の3兆9,850 億円とプラス成長となり、リフォームなど高額商品の需要が高まったことや、店舗の新フォーマットによる需要の喚起が奏功し、堅調に推移した。

このような状況のなか、ホームセンター事業者同士および他小売業種の事業者との販売競争激化に伴い、大手事業者を中心に、売上規模の拡大によって企業体力の強化を図った業務提携、資本提携、M&A が活発化している。

また、これまでの顧客層とは異なる女性層や若者層をターゲットとした商品戦略や、プロ向け専門店舗やコト消費型店舗の展開、訪日外国人客によるインバウンド需要の取り込み、インターネット販売への注力など新たなサービスを拡大して、新しい市場創出に取り組んでいるのが現在のホームセンター小売市場の状況である。

顧客層を拡大へ
ホームセンター事業者各社とも、既存顧客とは異なる層に対するアプローチを強化することで、顧客層の拡大に取り組んでいる。例えば DIY 商品では、軽量化を図った商品やカラフルな商品など、女性向け・ファミリー向けの商品ラインナップを拡充している。

長年、ホームセンター事業者が取り組んできた本格派・正統派の DIY ではなく、一般消費者が気軽に楽しめる DIY を提案する動きが活発になっている点は、ホームセンター小売市場の明るい材料といえる。

加えて、若い世代を中心に、レーザーカッターや 3D プリンタを設置したファブラボの要素を取り入れた施設が注目を集めている。店舗に隣接したこうした施設での新たな需要が増えている点も顧客層拡大の追い風になっていると考える。

【ファブラボとは】 デジタル工作機械を設置し、一般市民がデジタル・ファブリケーション(ものづくり)を実現できる工房。世界各国で設立され、緩やかなネットワークを形成する。

上位10社で寡占化
この調査によると、2016年度の売上高上位10社合計が全体の約6割を占める結果となった。上位10社の中でも、売上が増加する上位企業と減少傾向にある下位企業の二極化が進む傾向にあり、一部のホームセンター事業者による寡占化が一段と進んでいる実態がうかがえる。

海外展開に活路も
国内小売市場の飽和や、ドラッグストア、GMSなどとの競合激化により、海外展開の動きも活発化している。2016年には、日本のホームセンター事業者が初めてASEAN市場への進出をしている。

既に海外では、欧米のDIYショップが進出済みであることが多く、日本の店舗フォーマットのホームセンターは通用しないとされてきた。しかし、ここにきて海外進出に目を向ける企業が出始めている。

別部門の外食事業の海外進出と併せて展開するケースや、海外ECサイトからスタートするケースなど、各社とも新規参入方法の工夫を凝らしている。

しかし、ホームセンター事業者の海外展開は始まったばかりで、日本特有の環境で育った店舗フォーマットが海外で受け入れられるか否か、今後の動向が注目される。

国内市場を展望
今後の国内ホームセンター小売市場は、中長期的にみれば人口減少に伴うマーケットの縮小、短期的にもホームセンター同士の価格競争やGMSやスーパー、ドラッグストア、100 円ショップなど、他の小売業種との競合商品の販売競争が激化していく見通しである。

店舗数の新規出店ペースの鈍化や1店舗当たりの売上高が減少基調であることを考えると、市場は横ばい、あるいは微減で推移していくものと考えられる。

2017年度の出店計画では、好調な大手ホームセンター事業者は2016年度よりも積極的に大型店舗を新規出店する計画があり、店舗数の純増分は60~90店舗になると予測する。

それに加え、新しい店舗フォーマットの開発などが好調であることから、2017年度の国内ホームセンター小売市場規模は前年度比100.3%の3兆9,980億円になると予測する。

 

『DIY・ホームセンター市場の展望と戦略 2017』
・発刊日:2017 年 6 月 30 日
・体 裁:A4 判 474 頁
・定価:125,000 円(税別)

・問い合わせ先
矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2
設立:1958年3月
年間レポート発刊:約250タイトル