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2019年12月29日

小売業 2020年 気候・高齢・働き方など変化要因増える

小売業の業績予想をする上で、気候変動や高齢者の人口・世帯構成比、従業員の働き方改革、急増のカード決済、さらに昨年の消費税率増税や海外事情なども加味しなければならなくなった。別表の2016年~18年の主な小売業の業績推移を見ながら2020年の関連業界の動きを予想してみてはどうか。

 

 「大改革」目指す企業も
【ホームセンター】
2021年3月を目途に、DCMホールディングスが子会社5社の統一を昨年末発表した。人口減少と高齢化によって市場環境が激変している中、ホームセンターのビジネスモデルの多店舗展開に限界が明らかになってきた。共通課題として市場シェアを競い合う一方で、持てる経営資源によって次の時代に生き残れるための「新事業を創造」が浮上している。

ホームセンターの市場規模が3兆円を超えたのが1995年、阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件が起き、バブル経済崩壊による金融機関の倒産などが続いた時期だった。

年商4兆円を超えられないホームセンター。3兆円規模に乗ったのが25年前で、店舗数は微増しているものの、総売上高は4兆円を目前に17年・18年の2年連続減少、19年も前年実績を上回るのは微妙だ。

ホームセンター業界の低迷を象徴するように、昨年末、大手コーナンがドイトの事業を承継すると発表した。ドイトは首都圏で19店舗を展開するDIYの老舗。

ドイトは旧・ドン・キホーテ(現・PPIH)の連結子会社。かつて日本のホームセンターはドイトをビジネスモデルのお手本にしながら多店舗展開してきた。

素材とDIYノウハウを提供するドイトに対して、ドン・キホーテはバラエティーグッズの圧縮陳列という水と油の関係だった。
コーナンは早朝開店や貨物車などの店内誘導といったプロ向け商材や施設にも力入れ、均一ショップ・ダイソーの併設店舗も増やし、効率化を図っている。ただ、専門大店としての間口を広げ、品ぞろえを深く掘り下げるという兆候は見られなかった。コーナンに対する一般客のロイヤリティーもそれに比例していた。

九州・宮崎のホームセンター・ハンズマン(宮崎県都城市)が大阪府松原市に21年度中、敷地面積1万坪のホームセンターを開業することを決めた。ハンズマンは売り場スタッフによるコンサルティング販売で集客してきた。直近の19年6月期の年商が312億円、現在、11店舗を展開。1店舗当たりの売上額はざっと28・3億円となる。

巨艦型1店舗で地域一番店を展開するハンズマンに、迎え撃つ地元コーナンがドイト流業態を起用するのか。

 

「家庭用品」1兆円超へ
【ドラッグストア】
2008年度で5・2兆円だったドラッグストア市場規模はそれから10年後、6・3兆円に膨らんだ。年間1000億円ずつ成長してきた。

08年度の「日用品雑貨」売上高は1・1兆円。商品分類が当時と異なるため、単純な比較はできないが、現行の「家庭用品・日用消耗品・ペット用品」2020年度中、1兆円の大台に乗る。

都市型立地では医者の処方箋の薬や一般の医薬品(OTC)、化粧品、トイレタリーなどの販売に力を入れていく一方、郊外型立地では売り場面積を広げて家庭用品や食品などで幅広く集客をしていく。

ただ、ドラッグストアの新店出店ペースは鈍り始めている。上位5社のうち、ウエルシア98店舗、マツモトキヨシ27店舗を除き、2020年決算では純増計画は数店舗というドラッグストアもある。閉鎖店舗数もかなりの数にのぼり、売上高増はあるものの、新店投資は足踏みをしている。

 

連携強化、これから
【地域生協】
個人宅まで配達する個配供給高(売上高)は1兆2937億円(前年比2・6%増)で地域生協の総供給高の45%を占めている。

引き続き増進中のはずだったが、19年度は10連休、天候不順、職員の働き方改革による稼働率低下などが原因で前半、前年割れが生じた。スーパーやアマゾンなどによって競合が地域生協の牙城である生鮮の個配にも陰りが見え始めようとしている。

店舗事業では20年度、日本生協連が地域生協の連携を促す仕組みを整え、店舗事業の構造改革や課題解決に取り組む。売り場面積が減少傾向の一方で、無店舗・個配の供給高が増加。共働き・高齢者世帯の増え方が影響してくるだろう。

 

家庭用品など1・6兆円規模
【EC通販】
今回、EC取引を調査した経産省の分類では、「生活雑貨、家具、インテリア」とは家事雑貨(食器台所用品等)、家事用消耗品(洗剤やティッシュ等)、一般家具、インテリア(カーテン等)、寝具類により構成される。以下、経産省の調査の一部を抜粋した。

2018年のBtoC-EC の市場規模は1兆6083億円で、対前年比8・55%上昇した。1兆円を超える5つカテゴリーの1つだ。EC化率は22・51%。BtoC-ECの売上の内訳は、約7割が「家事雑貨、家事用消耗品」、残りの約3割が「一般家具、インテリア、寝具類」である。

家事雑貨、家事用消耗品は取扱品目数が非常に多い半面、個々の商品単価が安価で、品ぞろえとコストとのバランスが課題と想定される。

送料との見合いから単価の低い日用品のまとめ買いのニーズや、他の商品の購入に伴う「ついで買い」に支えられている面もあると想定。

在庫リスクを抑え、在庫回転率を上昇させるためにも、物流の効率化は課題といえる。

配送コスト負担の増加に伴いEC事業者側が送料無料を撤廃したり、無料の金額ラインを上げるといった対応がなされる場合、単価の低い日用品は販売に影響(プラス、マイナス両面で)が出ることも予想される。

期待のかかる日本製品の越境ECについて、以下に触れておく。
BtoC-EC(米国・中国)の総市場規模は2765億円となった。このうち、米国経由の市場規模は2504億円、中国経由の市場規模は261億円であった。

米国の越境BtoC-EC(日本・中国)の総市場規模は1兆3921億円となった。このうち、日本経由の市場規模は8238億円、中国経由の市場規模は5683億円であった。

中国の越境BtoC-EC(日本・米国)の総市場規模3兆2623億円となった。このうち、日本経由の市場規模は1兆5345億円、米国経由の市場規模は1兆7278億円であった。

「300円」年間30店舗へ、ダイソー
【均一店】
100円ショップと言えなくなりつつあるのはダイソー・大創産業が昨年11月、東京・亀有リリオに300円均一店「THREEPPY」を開店した。売り場面積は848・4坪、2000アイテムをそろえ、PayPayで支払いができる。

現在、ダイソーでは300円店は33店舗開業中だ。主な客層は30~40代の女性を想定しており、THREEPPYは当面、年間20 ~30店舗の出店を予定している。

2位のセリア(2020年3月期予想)1804億円5・8%増、3位キャンドゥ(2019年11月期)714億円0・9%増、4位ワッツ(19年8月期)520億円4・8%増。