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2020年01月09日

スーパー倒産、帝国データバンク2019調査

帝国データバンクは2007年~19年のスーパーマーケット経営業者の倒産動向(負債1000 万円以上、法的整理のみ)の集計・分析した。

調査結果要旨
1 スーパーマーケット経営業者の倒産は2019年が30 件(前年比 42.9%増)で、2012年以来7年ぶり前年比増加となった。負債総額は188億3000万円(同125.4%増)。

負債「1 億円~10 億円未満」が16件(構成比 53.3%)と中規模の倒産が半数を占めた。負債50億円以上の倒産が6年ぶりに発生した。

「破産」が最多の25 件(構成比 83.3%)。「特別清算」4 件(同 13.3%)、「民事再生」1 件(同 3.3%)。

地域別では最多が「関東」7件(構成比 23.3%)。「北陸」6 件(同 20.2%)、「東北」4 件(同 13.3%)。

業歴別の最多は「30 年以上」が 22 社(構成比 73.3%)。10年以上が9割超。


1.件数・負債総額
 2019年のスーパーマーケット経営業者の倒産件数は 2018 年の 21 件を上回り、30 件(前年比 42.9%増)となった。2013 年以降減少傾向で推移していたが、7 年ぶりに前年比増加に転じた。

多くが地域密着型の独立系スーパーマーケット経営業者で、競合他社との競争激化が倒産の背景にある。

 負債総額は188億3000万円(同125.4%増)となり、2018年の83億5500万円を大きく上回った。2019年1月に特別清算開始命令を受け、2007年以降2番目の大型倒産となった広電ストア(広島県、負債約70億円)が全体を押し上げた。

2.負債規模別
 負債「1億円未満」が10件(構成比33.3%)となったほか、負債「1億円~10億円未満が16件(同53.3%)となり、中規模の倒産が半数を占めた。

負債 50 億円以上の倒産(広電ストア)が6年ぶりに発生した。

3. 態様別
「破産」が25件(構成比 83.3%)で最多となった。次いで、「特別清算」が4件(同 13.3%)、「民事再生」が1件(同3.3%)となった。

全業種全地域の態様別倒産は、「破産」は約90%以上、「特別清算」は約 3%で推移している。スーパーマーケット経営業者の倒産では2015年以降、特別清算の構成比が10%前後と比較的割合が高い。
 別企業や新会社に事業譲渡を行うことでスーパーマーケットの運営を維持し、その後特別清算を行うケースが多い。「民事再生」は、アサノ(宮城県、負債約7億700万円)。


4.地域別
「関東」が最多の7件(構成比23.3%、内訳=栃木県2件、茨城県2件、群馬県1件、埼玉県1件、東京都1件)。うち栃木県、茨城県で2件ずつ発生した。
 「北陸」の6件(同 20.0%、内訳=富山県3件、新潟県2件、福井県1件)、「東北」の4件(同13.3%、内訳=宮城県2件、青森県1件、福島県1件)と続いた。
 都道府県別では富山県と愛知県の3件がトップ。9地域中6地域で前年比増加となった。

5.業歴別
最多の「30 年以上」が22社(構成比73.3%)。「10~20年未満」5件(同16.6%)が続き、業歴10年以上の企業が9割超を占めた。

 業歴が最長は1805年創業・業歴200年超のイタコ大黒天の遠峰酒造(茨城県、負債約6億5000万円、特別清算)だった。


6.主な倒産事例(2019年)
負債が50億円以上の大型倒産は広電ストア。東証2部上場の広島電鉄が100%出資のグループ会社として「マダムジョイ」5店舗のほか、移動販売車事業や不動産賃貸なども手がけていたが、2018 年にイオングループのマックスバリュ西日本に事業を譲渡し、同年10 月に解散。翌年1月に特別清算開始命令を受けた。

「イケチュー」など19店舗運営のシヨツピングセンター池忠は、2004 年に民事再生法
の適用を申請、07年に再生手続きを終結していたが、19年9月に破産手続き開始決定という再倒産。同業他社との競争激化で業況が回復しないなか、消費増税に伴う設備投資・人材確保が難航した。

スーパーあいでんを運営のあいでん(新潟県、負債約6億7200万円)、イタコ大黒天の遠峰酒造(茨城県、負債約6億5000万円)などが消費増税に対応できなかった。

7.まとめ
スーパーマーケット経営業者の倒産は2019年で30 件(前年比 42.9%増)と7 年ぶりに増加に転じた。2013年以降6年連続減少していた背景には、中小企業金融円滑化法の効果や中小企業再生支援協議会、地域経済活性化支援機構、事業再生ADRなど法的整理以外での再生メニューの充実など全業種にわたる要因のほか、スーパーマーケットはM&Aが活発で中堅・大手スーパーマーケット運営企業が業績不振の企業のスポンサーになったり、店舗を買収したりする動きが破たん前に生じるため、倒産が減少していたものと推察される。

2019年は、天候不順による販売不振や、台風による営業時間の短縮や休業も発生し、信用不安情報も増加した。倒産した30社はほとんどが地域密着型の独立系スーパーマーケットで、コンビニエンスストアや大型スーパーマーケット、ドラッグストア勢との競争に敗れ、集客を維持することができず、売り上げの落ち込みから赤字を解消できないというケースが最も多かった。

店舗拡大や退店に伴い借入金など有利子負債が重荷になり継続が困難となるケースもあった。消費税引き上げが何らかの引き金になった可能性もうかがえ、実際に消費増税に伴う設備投資や人材確保が難航したことなどが要因となった例も生じていた。

2020年はオリンピック・パラリンピックなどのプラス要因はあるものの、地方商圏人口の減少も生じており、依然として地域スーパーマーケットを取り巻く環境は厳しい。6月30日に終了予定のキャッシュレス・ポイント還元制度の影響も併せて、今後も動向を注視したい。

【調査の問い合わせ先】
帝国データバンク 東京支社 情報部
下川氏(電話03-5919-9341、FAX 03-5919-9348)
e-mail: jun.shimokawa@mail.tdb.co.jp