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2020年12月28日

藤田盛一郎・藤田金属社長 【インタビュー】


藤田盛一郎・藤田金属社長

 

金属製キッチン用品専門メーカー
コロナ禍での動向は2020年3月~6月、家庭用フライパンが急伸し、アウトドア用は9月~11月に伸び、現在に至っているという状況です。

数年前、台風被害に遭った工場の一部を修繕するのを機会に、事務所を全面改装し、合わせてショールームとショップを新設。2020年12月中旬、完成移転しました。

今年は鉄製フライパンのファン作りに力を入れます。ショールームでのワークショップを催し、使い方や手入れの仕方ほか、ガラス越しに工場内部が見えるので製造現場の見学をしてもらえます。鉄製フライパンの専門メーカーとして、見た通り、ありのままを知ってもらうというのが狙いです。

情報発信はインターネット、SNSでは海外のバイヤーも想定しており、工場内部のライブ映像を流してます。海外販路は現在、およそ10%を占め、中国、香港、台湾などのアジア圏から、今後、欧州と北米への市場拡大を狙ってます。昨年は1月~2月開催の「メゾン・エ・オブジェ」「アンビエンテ」への出展しました。今後も海外展示会には出展していきたいと考えています。
海外市場では特に、着脱できるクルミやブナの木製取っ手のフライパン「10 FRYING PAN JIU」を売っていきたい。コンロやオーブンで調理し、皿としてそのままテーブルで使えます。

日本の家庭ではフライパンはフッ素樹脂加工品と鉄製と併用できます。出勤・通学前の朝食時はフッ素樹脂加工のフライパンを使ってもらい、週末など時間の余裕がある時、おいしい料理を作りたい、味わいたいというひと時は鉄製を使ってもらおうと考えています。

主な販路はインターネット、ギフトカタログ、地元・大阪府八尾市のふるさと納税の返礼品としても採用されています。

当面、企業規模や売上高の追求でもなく、商品の回転率を念頭にしているのでもありません。それよりも利益の取りこぼしのない態勢を固めていきたい。

現有15人態勢です。金型製作をはじめ、プレス、ヘラ絞り、表面加工、検品、個配を含めた出荷まで一貫生産です。家内工業の範疇として、三男が金型製作を担い、次男は製造を、長男の私は営業と経営を担当してます。少人数、小規模で独創的な鉄製フライパンを作り続けていく。外注に頼らず独立独歩という創業者の精神を4代目の私が引き継いでいきます。

 

【藤田盛一郎氏社長に】
藤田金属(大阪府八尾市)の代表取締役社長に専務の藤田盛一郎氏が2020年12月1日付で就任した。
代表取締役社長の藤田俊介氏は同日付取締役会長に就いた。