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2021年04月19日

石川宣博・中山福社長 自社ブランド戦略を語る


石川宣博・中山福社長

 

ベストコの基本方針
コロナ感染の拡大状況をみながら2カ月延期し、ようやく開催したのですが、直前になって大阪を中心にコロナ感染者が急増し、関東や地方都市の得意先が来場が見送られるような事態です。5月の大型連休や夏の需要期にぎりぎりの開催となりました。
来場者数は前回(2020年10月、横浜市で開催)規模の半分程度になるもようです。

コロナの状況が1年以上も続いていおり、得意先企業の中には商談や出張の禁止が解除されていません。身動きできない状況の中、情報を渇望される得意先が来場されており、「来てよかった」という声をいただきました。出展メーカーも開催を望む声が多かった。

インターネットオンライン展示会も開催されていますが、現物商品に触れられず、不自由な商談を強いられています。

次回の秋冬見本市は2021年7月、横浜市で開催を予定しています。

当社オリジナルブランド「ベストコ」は強化拡大する考えです。「フェイクグリーン」のように、既存取引メーカーと競合しない商品だけに限定はしてませんが、メーカーとの兼ね合いを考慮することは大事で、完全に重複するような商品は避けなければなりません。客層の違いや、すき間市場に投入していくのがベストコの基本的な姿勢です。

グループ会社「グリーンパル」と共同でプラスチック製の収納用品・コンテナをシリーズ化しました。着色や積み重ね使用など、多用途な特徴が前評判を呼んでいます。これより先、折り畳んだ状態で店頭展示し、消費者は持ち帰って自宅で組み立てるコンパクトなタイプが販売実績を上げています。

一方、中堅ホームセンターなどのPB商品化にもベストコを提案しています。出店地域が完全に競合しない企業間の発注数量を取りまとめて、コスト軽減を分け合うという提案です。

来店動機を高める狙いから大手小売業はPB商品を強化している中、全国に展開している当社の強みを活用していただきたい。

2021年3月期(2020年4月1日~21年3月31日)の業績は、中山福単体が売上微増・増益の見込みです。巣ごもり消費はあったものの、コロナ禍の影響で海外旅行客の需要が消滅しました。

連結業績はグループ3社の――グリーンパルはプラスチック製商材が売れました。インターフォルムは雑貨販売で、ENICYがインターネット通販でそれぞれ業績を上げました。

22年3月期ではコロナ禍の影響で海外市場の開拓と商品調達の両面で足踏みをしていますが、傾注事業であるには変わりありません。

大手小売業の資本提携など流通再編はこれからも行われるでしょう。さまざま事態を想定し、これらに対応し得るよう備えなければいけません。(2021年4月7日、開催中の見本市会場でインタビュー)