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2022年02月25日

石川宣博・中山福社長 コロナ禍でのビジネス 【インタビュー】


  石川宣博・中山福社長

2021年、春夏見本市は4月に延期開催したため、3月半ばまでに選定されるべき季節商品の商談にも影響が及びました。コロナ禍が3年目に入り、「経済活動を維持させる」という考えが大勢を占めている中での開催でした。

見本市には関東方面の得意先や地方都市の企業からの出張許可がおりないケースが多見されました。80社250人の来場予想でしたが、最終日には90社300人が会場に駆け付けていただけました。

関西や愛知県などを中心に、積極的に来場をいただきました。西日本各地の小売りマーケットの根強さに認識を新たにしました。小売業関係者の現物の商品や情報に触れて自らのビジネスに活かしたいという思いが伝わってきました。そうした意味でも今回の大阪開催は良かったと受け止めています。

メーカーにも開催の有無について意向を尋ねたところ、「開催を見送れば自分たちの新製品を小売業に伝える場がない」という声を多く聞きました。一方、新規メーカーには積極的な出展呼び掛けは控えました。

今回特徴的だったのはSDGsへの取り組みです。

小売業の上層部の方々ほどその重要性を認識されており、関心度の高さは都市、地方を問いません。消費者に向けて社会的責任を積極的に示す姿勢です。

当社ではベストコを通じてこの取り組みに参加しています。国連WFPのシンボルマーク「レッドカップ」キャンペーンで子どもたちの学校給食を支援。ベストコの鍋やフライパンに赤色カップのマークを貼付し販売しています。

あと1つ、資源保護の観点に沿って商品の企画開発を進めていくこと。例えば今春発売のベストコ商品にも再利用できる紙製の収納用品を発売します。

コロナ禍が長期化するにつれて生活様式も変化。これらに向けた新商品を増やしました。自宅にいる時間が長くなり、居間や食堂、机回りなど関心がいきがちです。フロアマットもそうした視点から新アイテムを追加。従来の材料を使いながらも新しい用途・需要を提案しています。

コロナ禍での生活の見直し型商材はほかにも、そうめん流し、かき氷器、ジンギスカン鍋、抗菌商材などが人気です。

来期も小売業の再編、合従連衡に備えなければならない。卸売業としての頑張りと、グループ企業の活躍にも環境を整えなければいけません。自己株式の取得、個人株主にもお届けできる優待、利益率上方修正を発表しました。企業活動の様々な側面を広く理解していただけるようにしていきます。
(2022年2月11日、春夏商談会会場でインタビュー)