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2018年07月23日

石川宣博・中山福社長 「事業領域を広げていく」


石川宣博社長

 

――園芸用品を前面に出しました。
石川
 家庭用品の卸売業が考える園芸、インドアガーデニングを提案しました。
「作業服に着替えて、土壌を掘り起こし、それなりの知識がなければ楽しめません」という専門性の高い領域への参入ではありません。

室内で植物を育てて楽しむ時、どんな雰囲気を醸し出すデザインや用品がいいのか。台所や玄関、ベランダ、リビングルームなど主に室内で気軽に植物を育てて楽しむニーズに向けたものです。園芸特有の高いハードルは避けました。土にふれなくても楽しめる園芸です。

これも事業領域を広げる一環で当社の考えに沿ったものです。今年、グリーンパル(新潟県三条市)をグループ会社として買収。これより先、15年に100%子会社化したデザイン企画会社のインターフォルム(神戸市)もあります。それぞれが「同じ会社のそれぞれの事業部門」という考えです。奥行き感のある企業組織として相乗効果を高めていきます。

 

――園芸関連の来場者は。
石川
 あらかじめ来場の承諾をいただいた園芸部門の関係者は70社近く。会場に並ぶ商品や展示の仕方・演出など、当社の提案力が問われます。

見本市終了後、反応を見ながら予算策定に入りたい。

 

――メーカー小間の一部で新しく「店舗形態ブース」を採用されました。
石川
 単一メーカーごとに構成された売り場型の小間で、リアル店舗の中に「ショップ・イン・ショップ」として出店できる体裁を整えています。興味を持った小売店がそれぞれの店舗条件に合わせてアレンジをしていただく。

メーカーが開発した商品を売り場で消費者にどう訴えかけるかは小売店の領域でもありますが、われわれベンダーの仕事でもあり、ホームセンターやGMSの集客に寄与することが狙いです。

今回、メーカー23社の協力を得て大々的に構成しました。

 

――事業構造を見直していく。
石川
 これまで当社の販売領域はほぼ国内取引に限定しながら、主な販売先を量販店やホームセンターとし、扱う商品は家庭用品分野であり、業種は卸売業――この4要素の見直しに取り組んでいます。

販売領域は国内から海外へも広げます。販路は量販店やホームセンター以外の新業態などにも広げていきます。

スーパーやホームセンターの販路を維持する一方、新規開拓による新たな取引が始まっています。

自社オリジナル商品の開発を強化し、子会社との相乗効果を図っています。

構造を改革するといっても単年度でV字回復は成りません。数年間のレンジが必要です。

 

――6月27日付、物流本部が新設されました。
石川
 これまで営業本部・物流企画部としてきたものを切り離し、物流本部としました。物流の仕組み、商品の流れ方、稼働している物流ネットワークの見直しなど、大きな仕掛けが必要になってきました。

(2018年7月10日~12日、横浜市内のパシフィコ横浜で開かれた中山福主催の見本市会場でインタビュー)