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2020年03月01日

石川宣博・中山福社長「自社商品・企画のねらい」


石川宣博・中山福社長

 

今の環境は景気を押し上げる材料が見当たりません。2019年秋の消費税率アップをはじめ、暖冬や新型肺炎ウイルス、海外旅行者の需要の低迷と消費者マインドも冷めています。

こうした状況の中、粗利を確保し、経費を抑える収益構造をかっちり固めていくことが課題です。成長をけん引する戦略的な商品が必須で、取引メーカーが扱う商品や領域に踏み込むのではなく、むしろ当社独自のジャンルを強化していきます。

「ベストコ」の室内グリーンやインテリア関連品、今回特集の「防災・減災」「猛暑対策」企画などがそうした考えに沿うものです。

全国規模で展開している中から広く情報を集めて、次の成長の芽となるニッチ市場がどこにあるか。たえずそうした考えで行動しています。次の成長モデル、新しい糧を探索しています。

取引先の大手小売業者らが通販事業に参入しており、これらの掘り起こしにも新規の領域として好適商材を提案していきます。

独自開発の新製品のプロモーションは昨年10月に立ち上げた部署からSNSを通じて消費者に直接発信していきます。

海外市場は成長の柱という位置付けです。東南アジアを足がかりにしながら、それぞれの国力、民力などを見ながら取り組んでいるところです。当社組織などに課題があるなら、増強という考えで改組などをしていきます。

海外市場には著名ブランドや企業規模の大きいメーカーの商品はあまり想定していません。生産量が多くなくても、海外での知名度が低くても使い勝手が良く、作り手の工夫や技術を盛り込んだ日本製が主な対象です。国や文化を超えて支持されるような普遍的な商品。大量生産、価格で競争するといったスタイルは避けたい。

自力で海外市場を開拓する余力のないメーカーなどが期待してくれている。ここでも全国展開の強みを活かしたい。

5年後、創業(1925年)100周年を迎える成長戦略として――自社オリジナル商品の強化、海外市場への販路拡大、新規販売チャネルの開発、既存市場におけるシェア拡大を掲げています。

なかでも海外事業と自社商品「ベストコ」の増強は最重要課題です。グループ企業との連携も重要です。
(インタビューは2020年2月5日、開催中の「中山福見本市2020春夏」会場で)