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2017年08月01日

【インタビュー】石川宣博・中山福社長 新たに取り組むべきこと

石川宣博・中山福社長

「去年なかった売り上げ」を作るには「去年なかった売り場」を作らなければいけません。

「〇〇の記念日」をテーマにした新しい切り口は有効な販促企画です。消費が足踏みしている中で、効果ゼロということにはならないでしょう。バイヤー以外の売り場担当の方たちにも理解を深めていただけます。

これは「マザープラス」との共同企画で、消費者の目線、その声を反映したマーケティング手法です。引き続き、錬度を高めていきます。

各メーカー小間での実演コーナーが来場者に訴える効果を高めています。「試してみなければ商品の特徴は実感できない。売り場で野菜の皮むきなどを試してもらうことも考えたい」とのバイヤーの声もあります。

今回、出展メーカー数は過去最高水準の128社に及びました。新規出展メーカーは7社ですが、小売業から、「新規メーカーの発掘も中山福の仕事」との指摘があり、次回見本市には今以上の新規の出展を増やします。

海外の新規取引先の中にはこの見本市の業容を参考に取引可否の判断をされる企業もあります。海外からのバイヤー招待は今回も積極的に行いました。

前期業績(2017年3月期)は前々期に比べて減収減益でした。海外旅行客の需要が萎んだり、人手不足の影響などが重なったのが主な要因でした。

東京本社を立ち上げたほか、福岡支店の拡充移転、沖縄への進出、札幌支店の拡充移転のほか、海外事業や新規事業での人員採用、女性の積極的な登用、さらに運賃やパートタイマーの経費増、先行投資や人手不足などが業績に影響しました。

今後、オリジナリティーのある商品、付加価値の高い商品やサービスなどでコストを上回る利益を確保していかなければなりません。

樹脂の特性とそれを独自の成形技術で成形加工し、特徴ある商品を創出する「デュオセルプロジェクト」もそうした事業の一環です。

単年度で業績のV字回復はできません。投資の効果が見られるのは数年先となるでしょう。一方で、四半期ごとに業績を報告していくことも上場企業の使命です。

取引先がホームセンターとGMS・スーパーで8割を占めており、今後、専門店やeコマースなどの新しい業態を掘り起こしていくことも大事です。

30年前、海外の販売構成比は30%あったこともあり、再度見直すため、海外事業部を立ち上げました。
(「2017年秋冬見本市」の会場でインタビュー)