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2018年12月13日

タイガー魔法瓶の宇宙の話 【No.2】

超高度な性能 地味な作業の繰り返しから

新聞やテレビのニュースなどで、「下町のロケット」などと紹介されたタイガー魔法瓶(大阪府門真市)。


回収された収納容器から真空二重断熱容器・魔法瓶構造を取り出す写真はJAXA提供

 

宇宙ステーション補給機「こうのとり」から分離した小型回収カプセルが昨年11月11日に地球に帰還。JAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同開発したタイガー魔法瓶の真空二重断熱容器がその使命を全うした。

 

 

断熱容器の開発 2014年から
2014年4月のJAXAから問い合わせに続き、翌年11月、正式な依頼があった。その内容は――「4度±2度の範囲で4日間以上の断熱性能、かつカプセル内に入った状態で、最大40Gという着水時の衝撃に耐える強度」を持った断熱容器の開発であった。

通常の魔法瓶にはない、超高度な要求に同社技術チームは当初「困難」と考えた。が、「我々がやらなければこの計画自体がなくなってしまう」との思いから、容器の開発を決意。

共同開発の過程で温度実験用の容器試作や性能検証を繰り返した。16年8月、容器の断熱性能と保冷剤によって「4度±2度の範囲で5日間の保冷性能」の試作品製作に成功。フライト品をJAXAへ納品したのは17年5月だった。

容器の性能
容器は高さ約30cm。真空二重構造のステンレスの内容器に外容器を重ねあわせる構造が保冷性能を向上させた。(タイガー魔法瓶とJAXAで特許出願済)。着水時の衝撃に耐えるためにステンレスの厚みを通常のステンレスボトルの約4倍にした。

 


タイガー魔法瓶の開発者の話
魔法瓶に限らず、製品の開発は企画・設計・試作・改良という地味な作業の繰り返し。壮大な実験のほんの一部分を担っただけなのに、多くのメディアからの取材を受けて良いものだろうか。

身近な魔法瓶を通じて日本の宇宙技術開発の一翼を担うことができ光栄です。開発に協力いただいた企業にもお礼申し上げます。

真空断熱容器には、「よく頑張ったね」と声をかけてあげたい。