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2013年12月26日

ネット通販、トラブル急増。個人名義の銀行口座には前払いしないで!

被害は1日平均17件。前年の2倍増。 インターネット通販の前払いトラブル

 インターネットで申し込みをする通信販売(以下「ネット通販」)で、前払いをした場合のトラブルについての相談が急増している。
前払いということは、すでに代金は業者側にあるので、トラブルが起きた場合、業者が応じない限りは金銭的な救済がされない。
ネット通販は、業者の実態がつかみにくい。所在が不明、連絡ができないなど、困ったことがいっぱい! 前払いのネット通販は、事後の被害救済が非常に難しい。

PIO-NET(注)(全国消費生活情報ネットワーク・システム)における相談件数の推移
2012年度からはっきりと増加傾向を示し前年度の2倍超、2013年度は、(11月末日現在で前年度同期の)さらにその6倍超と急増している。

図1 年度別相談件数2009年度から2013年度の年度別相談件数のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。

※11月末日登録分まで。( )内は前年同時期の件数。
2009年度の相談件数は542件、2010年度は687件、2011年度は876件、2012年度は1841件、2013年度は4165件である。
2012年度の2013年度と同時期の相談件数は680件である。

(注):PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する情報を蓄積しているデータベースのこと。

主な相談事例(事例は国民生活センターで受け付けたもの)
(1)商品が届かない
【事例1】安いので注文したが、商品が届かない
【事例2】他のサイトでは売っていないので注文したが、商品が届かない

(2)注文したものではないものが届いた
【事例3】コピー商品が届いた
【事例4】まったく違うものが届いた(スーツケース→携帯電話保護フィルム)
【事例5】違う商品が届いたのに、そのまま使うよう言われた

(3)前払いするように誘導された
【事例6】クレジットカード払いもできるとの表記があるが、結局はできなかった
【事例7】代引きでの注文のはずが、注文後、前払いするよう電子メールが来た

(4)サイトや電子メールの表記の問題
【事例8】サイトに連絡先の電話番号の表記がなく、住所は山の中
【事例9】サイトから送られてきた電子メールの日本語がおかしい

(5)その他
【事例10】サイトそのものが有名サイトをコピーしたニセサイトだった
【事例11】銀行口座が凍結されていた

相談の特徴(国民生活センターで受け付けた相談の分析による)
アクセスのきっかけは「商品検索」や「ブランド名検索」などの「検索」が62%申し込んだ理由は「安いから」51%、「欲しい商品が売っていたから」42%サイトや連絡メールの日本語がおかしいものも。特に「会社概要」欄に注目振込先の銀行は、ネット専用銀行(37%)と都市銀行(35%)が多い口座名義は「個人名」が96%と圧倒的に多い個人名口座の名義人は、7割超が「外国人名」と思われる

相談内容からみる問題点
「前払い」はトラブルに対して金銭的な救済ができない確実な連絡手段がないので、業者と交渉することができない商品を送るつもりがなければ、コピー商品さえ用意する必要がなく、どんな商品でも注文を受けることができるメールをやり取りする等で、口座凍結までの時間をかせいでいる特定商取引法で定められた住所や電話番号の表記がない

消費者へのアドバイス
代金前払いのリスクの大きさを認識しておく個人名義の銀行口座に前払いしない

情報提供先
消費者庁 消費者政策課
消費者庁 取引対策課
消費者庁  越境消費者センター
内閣府 消費者委員会事務局
警察庁 生活安全局 情報技術犯罪対策課
警察庁 刑事局 捜査第二課