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2013年11月16日

【シャトルシェフ実験】 「おでんの大根煮込みに最適」

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サーモス、学術博士と共同実験
 おでんの定番「大根」はほど良く出汁(だし)がしみ込み、歯ごたえもある――そんな大根を「家庭で確実に調理するには真空保温調理器が適している」という実験結果がサーモス(東京都)と、調理科学の学術博士・佐藤秀美氏が11月11日、報告書を発表した。 サーモスが20歳〜60歳の主婦520人を対象に調べたところ、大根を調理する際の主婦の不満や悩みは、「下ゆでが面倒」(26.3%)、「なかなか中まで味がしみない」(23.5%)、「芯が残る」(7.9%)など、手間や時間にかかわるものだった。 今回の実験は長時間かけた割にはイマイチ味が定まらない、難しいといわれている大根を真空保温調理鍋「シャトルシェフ」で煮込むと出汁のしみ込み具合や、大根特有の歯ごたえが期待通りに楽しめるのか、というものだった。実験には普通鍋として、シャトルシェフの内鍋を用いたものと、真空保温調理鍋(シャトルシェフ)を用いた。

実験では、厚切りの大根の芯が100度だったものを80度に下がるまでの時間は普通鍋の場合1時間32分だったのに対して、保温調理鍋は2時間15分だった。
 大根の味のしみ込みは消火後、急激に進むが、保温することで、味は中までしみ込みやすくなる。のが一般的に知られている。これは沸騰中は細胞内の水分が水蒸気となり細胞中を隙間なく満たし、調味液が細胞内に入り込みにくいためと実験では報告している。消火後は、水蒸気が水に変わり体積が急激に減少することで細胞内に調味料が引き込まれ、味がしみることになる。煮込んだ大根が軟らかくなるのは、大根の組織を支える成分・硬さを左右するペクチンが高温ほど速やかに分解されるからだ。

 次に、歯ざわりの実験では、破断荷重という数値を測ったところ、普通鍋に比べて波形の高低差が大きかったことから、保温調理鍋を使った場合、大根特有の食感を残しながら軟らかく仕上がるということが証明された。 「グツグツ煮込むほど味がしみ込む」と思われがちだが、実験ではグツグツ煮込んだ大根と保温調理した大根では、味のしみ込みにほとんど差は見られなかった。高い温度を長く保つほど軟らかくなるが、必要以上に長い時間煮込むと、軟らかくなり過ぎて、歯ごたえが無くなってしまう。 大根の中心部分をほど良い程度の軟らかさに煮込んだ後、消火・保温すると、長時間保温しても大根特有の食感が失われず、適度な軟らかさに仕上がる。保温調理鍋は普通鍋に比べて、消火後に保温調理することから光熱費がかからず、コンロの前にずっといる必要がない。手間なく調理ができるメリットもある。

 佐藤秀美氏のワンポイントアドバイス
 保温調理することで、分厚く切った大根は、大根特有の食感を残したまま軟らかく、味のよくしみ込んだ状態に仕上がることがわかりました。一般に「弱火でグツグツ煮込むほど軟らかくなり、味がしみ込む」と言われます。測定の結果、グツグツと長時間煮込んだ場合と、短時間加熱後に保温調理した場合とでは、味のしみ込みはほとんど変わりませんでした。また、硬さは、両者とも同程度に軟らかくなるものの、長時間煮込んだ場合にはただ単に組織全体が軟らかく、保温調理では素材特有の食感が残った状態で軟らかくなることが明らかになりました。さらに、本実験では、消火直後に味が急激にしみ込む現象を確認し、一般に言われる「味は冷える過程でしみ込んでいく」ことを実験的に明らかにしました。

  下ゆでに最適。エコ・時短効果も
 保温調理中は火を使わなくても弱火で食材をグツグツ煮ている状態と同じですが、吹きこぼれ等を気にして台所に居る必要もありません。分厚い大根の煮込み料理だけでなく、アク抜きのために大根を下ゆでする場合にも、保温調理を利用すると便利でしょう。分厚い大根を軟らかく煮る、あるいは下ゆでするための調理法として、保温調理は最適です。さらなるエコ&時短には、分厚く切った大根を冷凍してから加熱する方法がお勧めです。冷凍すると細胞組織が破壊され、その後の加熱で速やかに軟らかくるため、保温調理前の加熱時間が大幅に短縮できます。