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2013年10月06日

ホームベーカリー市場100万台超へ

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岡村佳久・タイガー魔法瓶営業統括本部 営業企画チームマネージャーの話

ホームベーカリーの所有率は20%超である。「今は所有はしていないが、今後使ってみたい」といった回答を合わせた潜在需要は60%を超えており、期待の持てる市場といえる。

10月から発売の「IHホームベーカリーやきたて」は甘く味付けしたタイプも焼けるが、小麦が本来持っている味や香り、食感などが楽しめるハード系のパンを焼けるのが特徴だ。

一方、首都圏で好まれているパンの種類を独自に調査したところ、ハード系が人気の主流であることがわかった。パンはおやつでなく、食事の一環とする食生活スタイルが台頭してきたとみている。

今回発売の機種はIH加熱を採用した。炊飯器ではすでに70%がIH化されており、高熱への立ち上がりや、温度制御に優れているといった特徴は消費者に広く理解されているところだ。
IH熱源の特徴の1つは電力ロスが少ないことで、既存のホームベーカリーが300Wで焼くのに対して、新機種は700Wと2倍超であり、発した熱は85%を生かすことができる。

既存ホームベーカリーの不満点を分析したところ、その大半が生地の「こね」に起因していることがわかった。こねる際の本体温度を30度以下に保てるよう、3カ所の温度センサーで感知制御している。30度を超えて焼かれたパンの味にはアンモニア臭が立つなど、味や食感などにも大きく影響を及ぼす。

IH搭載機種の他社製品参入は歓迎したい。当社と違う発想の新製品を市場に供給することで市場は広がり、活性化もする。高額の炊飯器や電気掃除機などの事例でも明らかだ。

年間の出荷台数は数年来成長した2011年が79.4万台だったが、12年には56.5万台へと落ち込んだ。その理由は高額機種による価値の説明が仕切れていなかったことや、米粉を材料とする機種の一巡などが考えられる。

それでも近々、100万台を超えると見通している。当社はホームベーカリー市場には昨年参入した。現状の市場占有率は3%程度だが、当面、7%〜8%、全機種を含めて10万台を当面の販売目標にしていきたい。