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2020年09月17日

かき氷、世界市場を酔わせるか

次世代型かき氷製造機 himuro
ブルーとメタリックの2個の球形を連結した形。先進的なデザインはドラえもんを連想させる。氷を削るマシーン「himuro(氷室)」。リキュールやウイスキーなどのカクテルを凍らせた氷を削り、グラスに飾る。

1機350万円。「次世代かき氷製造機」として2020年9月16日、発売した。外食産業やホテル・旅館などの宿泊施設などに向けて営業活動を始めている。

「かき氷は古く日本の食文化の中にあった」と、この商品を企画開発したスチュアート(大阪市)の上田勝代表取締役は、「かき氷をアルコールカクテルと掛け合わせ、スイーツというイメージを一新する大人のかき氷。世界市場を展望しています」と言う。
「バックルームの厨房で動かすのでなく、客の目に触れるカウンターやホールで工程も見てもらう。未体験の味わいは見るところから始まっている」

デザインはイタリアの学生らで
イタリア・北部のミラノのデザイナーを志す学生たちに日本市場で商品化をと呼びかけた。さらに日本国内では、かき氷機メーカーの池永鉄工(大阪市)やプロダクトデザイナーの羽室貴司氏を巻き込んだ。

製品の設計・製造を担当した池永鉄工の池永一雄社長は「専門メーカーとしてやるべし」と決断し、「かき氷機のフェラーリ」に挑んだ。

ハード機器を進める一方、かき氷のメニュー開発にも力を注いだ。梅花女子大学やダイナック、サントリーも参加した。

アルコールを含んだ氷は、その種類や組み合わせ、凍らせる温度などによってもかき氷としての食感が違う。多様なアルコールを組み合わせた氷のカクテルが世界市場への広がりをうかがわせる。

【次世代かき氷製造機 himuro(氷室)】
「スライドシェイビング機構」というこれまで氷を回転させながら削るのでなく、木材をカンナで削るように往復運動で削る。2種類の違った氷を同時に削ることもできる。
外寸:横335×奥行き530×高さ480mm
重量:35kg。

問い合わせ先はスチュアート株式会社(電話06・7177・9560)

2020年12月31日まで、humuroによる新しいアルコールを実費で体験できる。大阪市北区大深町3の1、グランフロント大阪の北館2階「Spring X」。


かき氷機の開発から商品化について説明する上田勝氏

 


開発プロジェクトに関わった羽室氏、上田氏、池永氏(左から)