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2014年01月08日

100年企業 魔法瓶メーカー・オルゴの記念誌を見る

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魔法瓶メーカーのオルゴ(大阪市)は2013年10月、創業100周年の記念誌を発刊した。A4変形判、26ページにはレトロな魔法瓶や、今すぐ欲しくなる個性的なデザインが紹介されている。口コミが大きく届けば復刻製品の誕生につながるかもしれない。

創業者・田中鉄治郎氏が1913年(大正2年)、大阪市信濃橋に星印魔法瓶・電明社として開業。鉄治郎氏は田中新和社長からさかのぼって4代前となる。この年に創業し、今でもちゃんと存在している企業には、ハウス食品やトンボ鉛筆などがある。当時は日本の人口は5100万人の大台に乗ったが、日清・日露の2つの戦争をしたため、政治や経済のゆがみを立て直す時代でもあった。

それ以降、第2次大戦を経て社名は1955年「鬼マホービン」に、64年「ダイヤ魔法瓶工業」、88年に現行社名に変更。ブランド名も「星印」「鬼」「ダイアモンド」と、時が求める魔法瓶の性能や機能などを勘案しながら変遷した。100年という時を経た現在、「個性豊かな生活文化の創造 人間性尊重を基調とする経営の実践」を経営理念に掲げている。製造業から創造業へと挑むため、すでに次ぎの100年へ向けているのだ。

「これからの飛躍へ」と題したインタビューのページでは、田中信守会長が、「50年間、マホービンに携わってきましたが、モノづくりという点では、いつもお客様の目線を大切にしてきました。どういふ風な使われ方をするのか…」(田中信守会長)と話している。これに対して、田中新和社長は、「さらに新しい目線をプラスするようにしています…お米を100度のお湯に入れてお粥が作れる商品を開発…これもお客様のニーズに着目したわけで」(田中新和社長)。親子2人は奇をてらわず、保温保冷の魔法瓶の性能に沿った開発姿勢を持ち続けたいという考えで一致する。

全ページ中、半分を費やしたのが「オルゴミュージアム」のページだ。ここで紹介された魔法瓶には100年企業としてストーリーを感じさせる。作り続けてきた製品にはそれぞれに時代の感性を感じるのは、形と色使いなどのデザインだ。それぞれの意匠は今となっては個性そのものである。一企業の製品集と見るのでは物足りなく、当時が求めた魔法瓶そのものである。以下、代表的な製品をピックアップしてみよう。

開業間もないころ、大正10年の「星印魔法瓶」のカタログには特許証書や製品の分解部品のイラストが紹介されている【写真左】。「鬼印ポット」ブランドもレトロな形状である。

時代は大きく移って1960年代の広告の写真やコピー(文案)には雪山や自動車が使われ、当時の「ダイヤマホービン」からアウトドアでの生活スタイルが読み取れる。70年代には広告にタレントを起用する一方、製品では温かい昼食が食べられるランチジャーが登場している。カラープラスチック製ボディーのエアポットは米国市場で荒っぽい使い方に耐えたという「エアーポンパー」が紹介されている。

 ファッション雑誌『ヴォーグ』のライセンスを採用したシリーズ【写真中】と、山本寛斎氏の先進的なイラスト「カンサイスーパーレディ」はギフト市場で取り合いとなるくらいスター製品だった。79年から80年代のヒット製品だった。80年代では、「酒ボトル」が商品化された。日本酒ブームの現在、再登場してほしい魔法瓶だ。「アラビアンポット」もエキゾチックな形状、金ブームに載る可能性もあり。【写真右】グッドデザイン受賞の「カンサイ ア ラ ターブル」1987年

オルゴ株式会社 
http://allgo.co.jp/index.shtml


資本金 5,000万円
会長 田中信守 代表取締役 田中新和
従業員 50名
本社/大阪営業所:大阪市鶴見区放出東1-4-2
東京営業所:東京都台東区浅草3-42-7