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2014年03月05日

【インタビュー】 石川宣博・中山福社長 「増税で行動変わる消費者」

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2014年4月の消費税率アップで高まりかけた消費の動向が懸念されるなか、中山福はどう受け止めようとしているのか――2月半ば、大阪市内で開かれた同社主催の見本市会場で石川社長に聞いた。

122回目の春季見本市のテーマ「転機明察」とは、江戸時代に生活のさまざまなところで生かされてきた和暦のヒズミを正そうとした人物たちを描いた小説『転地明察』をヒントに造語をしたものです。

本屋大賞受賞のこの小説のように、変化やその兆しをとらえて新たなスタートをしましょうという狙いでした。見本市開催はこうした動きに沿った商品や企画を提供するターニングポイントであるとみました。

デフレ経済が長く続いたことから、「安いモノが良いモノ」という価値観が定着し、見本市などでも価格の安い商品を探し出すことが「良し」とされてきました。
そうした傾向が徐々に薄らぎつつあります。商品の持つ機能や付加価値、自分にとって意味があるとする商品に関心が強まっているようです。安い商品を販売しようとする意識から、今以上の価格帯の商品も並べる売り場が目に付き始めました。

消費税率アップは4月と来年10月、立て続けに予定され、増税が個人の消費に水をかけるのは間違いない。消費者は商品を厳選しようとする意識が強くなり、目利きの行動が加速されるでしょう。

アベノミクスは今年、正念場とも言われていますが、賃上げがどれだけ進むか不透明です。ただ、個人の流動資産はあるわけで、財布の中が空っぽという状況には陥っていない。財布を開く際の行動が今までとは変わってきます。

メーカーが開発した多くの商品はテクノロジーの塊ともいえます。家庭用品であっても新素材を採用し、技術のハードルを越えている。テクノロジーは超精密なハイテク産業だけのものでなく、われわれの業界のなかでもたくさん存在します。

大事なのは、そうした商品の価値を消費者にどう訴えるかです。店頭に並べておくだけでは伝わりにくい。ここが小売店関係者の皆さんの悩みの一つでもあります。

われわれベンダーは「このタイミングで、こういうふうに見せましょう。訴えかけましょう」と、消費者に届きやすいような企画や提案といった情報、販売促進のツールなどを提供しています。

今回の見本市では、旬のフルーツとサントリーのブランデーをガラス製の密封びんに漬け込み、蜂蜜やソーダー水を加えてフルーツブランデーを楽しみましょうというサントリーとの共同企画も特徴的でした。

周知のガラス製密封びんを、今までになかった価値を消費者に伝えたことで売れ行きを活発化させた。1年前にも同様の提案をし、2倍近い実績を引き出した成功事例の一つです。まさに見せ方の妙を示したものです。

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