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2014年05月11日

ネットギフト市場、45億円 矢野経済研究所調査

2012年度の国内のソーシャルギフト市場は、前年度比102.3%の22億円まで拡大した。法人のインターネットを利用したキャンペーン(オンラインキャンペーン)におけるソーシャルギフトサービスの拡大、パーソナルギフトにおけるスモールギフトの進展により、市場は拡大。2013年度は前年度比204.5%の45億円(いずれも発行金額ベース)の見込みである。

【図表:ソーシャルギフト市場規模予測】
【図表:ソーシャルギフト市場規模予測】

矢野経済研究所推計注:発行金額ベース注:2013年度は見込値、2014年度以降は予測値注:ソーシャルギフト市場規模には、個人によるソーシャルギフトサービスの利用に加え、法人による販促キャンペーンや従業員の福利厚生の一環としてのソーシャルギフトサービスの利用も含む。

ソーシャルギフトサービスとは、インターネットで購入したギフト(贈り物)を、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やメッセンジャー、eメールなどを利用して効果的に贈り先に知らせる、また、住所がわからない相手先にも贈れるサービスである。

さまざまなソーシャルギフトサービスが台頭
■リアル店舗送客型のソーシャルギフトサービス
若年層を中心に、日常のちょっとした「ありがとう」「ごめんね」などのコミュニケーションを補完する形で、スモールギフトを贈るケースが増えている。こうした時にソーシャルギフトサービスを利用すると、洗練されたデザインカード(壁紙)やメッセージ(サービスによっては動画や写真も可能)等を添えて、ギフトを贈ることができるため、言葉ではうまく伝えられない想い、「ありがとう」、「ごめんね」を気軽に伝えることができる点に魅力がある。

リアル店舗送客型のソーシャルギフトサービスは、こうしたスモールギフトで主に利用され始めており、複数のメーカーと提携して、ディストリビューターとしてサービスを提供する事業者と、自社の店舗でのみ利用できるサービスを提供する事業者に分かれる。

■配送受取型のソーシャルギフトサービスeメールでギフトを贈ることができて、受取人がWebの商品ラインナップ(カタログ)から商品を選択する配送受取型のソーシャルギフトサービスも徐々に拡大している。

同サービスは、受取人の年齢や性別、嗜好性にあった商品を絞り込んで掲載することや、時機を得た商品を提供することを可能する、配送受取型のソーシャルギフトサービスのひとつである。

このサービスは、商品の入れ替えに柔軟に対応できるため、メーカーの在庫負担の軽減につながるだけでなく、シーズン性のある、旬なファッションや食べ物を掲載できる点に特徴がある。商品は比較的高単価で、サービスを提供する事業者が多く、フォーマルギフトとして利用されることが多いサービスである。

■オンライン完結型のソーシャルギフトサービスグリーティングメッセージとともに16桁のIDを送付し、受取人は専用のWebサイトのバリュー(価値)として利用可能なオンライン完結型のソーシャルギフトサービスが拡大している。

ギフトの受け渡しがすべてインターネット上で可能なため、主にデジタルコンテンツの購入やオンラインゲームでの利用、さらにはインターネットでの商品購入まで幅広く利用されており、堅調に発行規模を拡大している。

ソーシャルギフトサービスの将来予測
ソーシャルギフト市場は、2020年度には770億円(発行金額ベース)まで拡大すると予測する。その要因としては、次のようなことが挙げられる。
1.法人におけるオンライン販促キャンペーンや従業員向け福利厚生の一環による利用が拡大すること
2.メッセンジャーとの連携などソーシャルギフトサービスの内容拡充もあり、新たなギフト習慣としてのスモールギフトがギフト市場に浸透すること
3.パーソナルギフトでは、従来の商品券・ギフト券、ギフトカード需要からの代替利用が拡大すること
4.将来的には、フォーマルギフトの一部需要も代替が期待されること

とくに、法人利用では、金券の管理・配送などのオペレーションや配送コストが不要になることで、リアルキャンペーンをやめてオンライン販促キャンペーンに切り替える企業の多くが、親和性が高いソーシャルギフトサービスを採用すると考える。

ソーシャルギフトサービスは、ギフト市場において、従来の紙型のギフト券などと棲み分けをしながら拡大し、新しいギフトの形として浸透していくと予測する。

【このレポートに掲載されている主なデータ 一覧】
第Ⅰ章.総論
市場規模推移(2009~2013年見込み)
商品券・ギフト券/ソーシャルギフト市場規模推移(サービスタイプ別:2009~2013年見込み)
商品券・ギフト券/ソーシャルギフト市場規模 (法人利用/パーソナルギフト別)
商品券・ギフト券/ソーシャルギフト市場予測(2013~2020年度)
商品券・ギフト券・ギフトカード市場予測(2013~2020年度)
ソーシャルギフト市場予測(2013~2020年度)

第Ⅱ章.タイプ別市場の実態と取組み
商品券・ギフト券の発行額推移(2009~2013年度見込み)
発行額推移(タイプ別:2009~2013年度見込み)
発行額推移(法人利用/パーソナルギフト別:2009~2013年度見込み)
PETカード型プリペイドカード発行額推移(2009~2013年度見込み)
発行額推移(発行カード別)発行額推移(法人利用/パーソナルギフト別)
プラスチックカード型ギフトカード発行額推移(2009~2013年度見込み)
発行額推移(チャネル別:2009~2013年度見込み)
ソーシャルギフト市場規模推移(2009~2013年度見込み)
市場規模推移(法人ギフト/パーソナルギフト別)

第Ⅲ章.関連するプリペイド決済市場の動向
発行額推移(2010年度~2012年度)
発行額推移(2010年度~2012年度:チャージ可否別)
取扱高推移(2010年度~2012年度:導入支援事業者別)
ベンダー別シェア(2012年度)
ギフトカードモール市場規模推移(2010年~2013年見込み:発行額ベース)
発行カード別ギフトカードモール市場規模(2012~2013年見込み)
市場規模:決済額推移(2009~2012年度)
非接触IC型電子マネーの市場規模予測(2013年度~2017年度)

■掲載企業ジェーシービー、ユーシーカード、KNT-CTホールディングス、全国酒販協同組合連合会、全国米穀販売事業共済協同組合、ハーゲンダッツ ジャパン、クオカード、日本図書普及、Amazon Gift Cards Japan 、ギフティ、ギフトパッド、SBギフト、大丸松坂屋百貨店、第一園芸、リンベル、アライドアーキテクツ、NTTカードソリューション

調査対象:ソーシャルギフトサービス提供事業者、商品券・ギフト券/ギフトカード発行事業者
調査期間:2013年12月~2014年3月
調査方法:矢野経済研究所の専門研究員による直接面談、
電話・e-mailによるヒアリング、文献調査併用

※ソーシャルギフト市場とは:本調査におけるソーシャルギフトサービスとは、インターネットで購入したギフト(贈り物)を、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やメッセンジャー、eメールなどを利用して通知し、贈るサービスを指す。また、本調査におけるソーシャルギフト市場規模には、個人によるソーシャルギフトサービスの利用に加え、法人による販促キャンペーンや従業員の福利厚生の一環としてのソーシャルギフトサービスの利用を含み、発行金額ベースで算出した。