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2019年12月29日

【インタビュー】 中村健輔・アピデ社長


中村健輔・アピデ社長

商品と販促の仕組みを提供
――2019年で印象強かったのは。
中村
 「ラグビーワールドカップ」が日本で開催され、多くの日本人を魅了したうえ、上皇ご夫妻の観戦を海外メディアが報道するなど、盛り上がりました。

10月の消費税増税は消費者心理への影響を心配しましたが、その後の回復を見て安堵しています。

――得意先関連では。
中村
 日本と韓国との関係が悪化し、香港の混乱も長引いており、頭の痛い問題です。

韓国へは2019年11月、商用で訪問しましたが、大手百貨店も日本製品を排除しています。

さらに中旬、得意先のある香港を訪問。商品の売れる土曜と日曜日にデモがあり、小売店は店舗を閉める。夜間には地下鉄などが運行されません。路面はデモによって剥がされている。正常な行動ができない市民は報道にも疑心暗鬼です。

――ほかの海外販路にも影響が及ぶかもしれません。
中村
 香港の混乱が台湾のお得意先にも波及しないかと懸念してます。新たな海外市場の開拓を急がねばなりません。

――今後の企業活動には気候変動も念頭におかなければいけません。
中村
 自力だけ解決しない問題ですが、包装資材の無駄の排除や軽減策、プラスチックの代替資材なども検討することになるでしょう。

――政府が進めている働き方改革では。
中村
 社労士の意見などを取り入れて改善取り組み中です。コスト増は避けて通れないが、粛々と取り組んでいます。

――このほか。
中村
 高止まりの運賃や増える国民の祝日休日と収益の確保など、企業を経営していく上で課題は増えても減ることがありません。

――地方都市の取引先は。
中村
 超高齢化や人口減少という課題を抱えた中で後継者の不在、事業の承継問題などあり、私は「大廃業の時代」とも言ってます。

競合企業が転廃業や撤退する中、数年前から地方都市の販売店に向けた「繁盛店サポート」を実践してます。集客の企画提案は専門部署で健康やグルメ、珍しい商品などを紹介。こうした仕組み作りに力を注いでいます。

販売店の商圏を想定し、消費者への伝達はスマホのSNSを活用。当社開発のソフトウエアは有料販売ですが、補助金制度があり、販売店の負担は軽減されます。

商品と売れる仕組みをセットで提供する。これがなければこれからの問屋業は成り立たない。

――2020年の課題、ほかには。
中村
  都市部でも大手法人を対象にギフトとリビングの両部門で販路開拓を進めています。商品がどのようなルートや仕組みで流れていくのか。きめ細かく見ていく中で新たなビジネスチャンスをつかむことができます。
(2019年12月9日、新築移転したアピデ本社でインタビュー)